願い10 ページ12
山姥切side
薬研たちが戻ってきた。
凄く疲れた表情をしていたが、何かされたんだろうか?
いや、兄弟に限ってそんなことをするはずがない。
「薬研、五虎退、何があった?」
「いや……旦那がされてきたことが予想以上に酷くてな」
ゲンナリしながらも話してくれたことは、
許せないことばかりで。
しかも、極め付けが
「兄弟に僕のことを切らせますか?」
そこの俺は一体何をやっているんだと思う。
主ですら殺気だっているし。
「こんのすけ。
堀川がいた本丸ってどこかわかる?
いや、わかれ。
そして連れてけ」
「ヒィッ、理玖様!
目が据わってます!
し、調べます!調べますから!」
震えすぎてブレているこんのすけが姿を消した時、外で物音がした。
兄弟が起きたんだろうか?
入ってきたのは
「よっす!元気にしてたか?
役人だ!」
よし、殺そう。
新撰組、国広派を中心として抜刀する。
「いやいやいや、待てよお前ら!
橋本さんもですよ。タイミングか悪いです」
「ふーん。いいんだー。
せっかく堀川くんの本丸の情報を教えに来たのになー」
ムカつくな。さっさと言えよ。
全員が思った。
このままだとマズイと思ったのか、鶯丸が、
「主はチャアでも飲んで落ち着け。
それで、堀川の本丸はどうなった?」
勿体ぶったようにんー?とか唸りながら、
「その本丸はな、
昨晩何者かに襲撃されて、審神者も刀剣たちも全員死亡したぜ」
全員?折れたのか?
しかもなんであっさりと言うんだ?
お前も俺たちのことを道具としか思ってないのか?
「橋本さん。いくらなんでもその言い方はないでしょう」
主が代表して諌めようとするが、
「いや、そこの本丸の刀剣男子はな、
堀川と三日月を除いた全員が、前の主を裏切っている。
その結果、ブラックになったんだぜ?
自業自得だろ。
だから、俺は巻き込まれた堀川たちを救いたいと思った。
他のやつらはどうでもいい」
隠そうともしない怒り。
ただ、それは俺たちに向けられたものではなかった。
こいつも裏切られたのだろうか?
「ま、そういうわけだから、堀川のことよろしく頼むぜ」
それだけ言い残して帰って行ってしまった。
嵐のようにこの場をかき混ぜていったが、心は晴れない。
俺は兄弟に会っていいのだろうか?
拒絶されないだろうか?
兄弟が傷ついていても自分のことを心配している事に嫌気がした。
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紗月(プロフ) - 時雨さん» いえ、わざわざありがとうございます! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - …って、もう解決してたみたいですね。なんか、本当にすみませんでした(汗) (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 紗月さん» 黒真さんじゃなくてすみません。山伏の一人称は「拙僧」ですよ! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 9df64bfe3b (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - すいません!山伏さんの一人称ってなんでしたか? (2016年10月5日 15時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
黒真 - 山伏さんが昼餉を取りに行ったんですよね?だとしたら一人称が違いますよ (2016年10月5日 15時) (レス) id: 6f04cd4e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:合歓木 | 作成日時:2016年8月27日 2時