1の22 ページ24
カナside
「見習い、これはなんだ？」
「見習い、これは何に使うんだ？」
「見習い、これ動いたぞ！？」
どうした薬研、落ち着け薬研、ニキ感が無くなってるぞ薬研。
荷物整理を手伝ってくれたのはいいが、スマホやバッテリーや目覚まし時計に興味津々で、ちっとも作業が進まない。
いや、進んではいるのだが遅すぎるだけだ。
「”薬研くん、もう午後ですがお腹は空かないんですか？”」
時計は昼の1時を指していて、片付けを始めてから三時間は経っていた。
「んー、と言ってもなぁ、ここでは1日2食だぞ？
人間ならともかく俺たちは食べなくても生きていけるからな」
事も無げに言い放つ薬研の目は嘘や誤魔化しなどの影はなく、本気でそう思っているのがよく分かる。
だが、じいちゃんは、刀剣男士も人間の体だから、ちゃんと栄養を取らなくてはいけないと言っていた。
どうしたものか……。
「ああ、でも見習いは食べないといけないしな。
燭台切の旦那に何か作ってもらうか！」
え、と彼の方を見るも間に合わず、強引に俺を見立ち上がらせたい薬研は行き先も教えてくれず、ぐいぐい手を引っ張って歩いていく。
片手を掴まれた状態じゃ文字は書けないし、そもそもホワイトボードを部屋に置いてきてしまった。
意思疎通できねえ……心読める人いねえかな……？
「燭台切の旦那、入るぜ！」
「うん、もう既に入ってるけどね！？
……で、見習いくんを連れて何しに来たのかな？」
少し、ほんの少しだけ棘のある言葉を向けられ、思わず逃げようと後ろに下がろうとする。
薬研に手を掴まれているせいでそれは叶わなかったが、燭台切がすぐに申し訳なさそうな顔をしたから罪悪感が芽生えた。
いや、先に喧嘩売ってきたのはあっちなんだけどな？
「ごめんね、見習いくん。
どうにも主以外の人がいるのに慣れなくて……」
ブンブンと首を横に振り、気にしないで、と伝えようとする。
無事に伝わったようで、ありがとう、礼を言われた。
いや、むしろこっちが謝りたいわ……。
「それで、薬研くんは何か用があったんじゃないのかい？」
「そうだ、すっかり忘れるところだった。
旦那、見習いに何か作ってやってくれないか？」
「彼すごい嫌がってるけど……？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 342人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灰雪(プロフ) - 壬卯兎さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！とうらぶ小説一緒に増やしましょう！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月14日 20時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
壬卯兎 - 面白いです！なんかもう、書き方から何まで凄く参考になります…これからも頑張ってください！＆私もとうらぶ書いてるので一緒にがんばりましょう！更新楽しみにしています！ (2017年12月14日 8時) (レス) id: 1ea793e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 苺パフェさん» ありがとうございます！狭いジャンルなので初めて読むと言われると嬉しいです！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 22時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - 面白かったです！初めて読むタイプの作品でした。大変でしょうが、続きがめっちゃ気になるので、更新、頑張ってください！ (2017年12月12日 21時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 銀色ミカンさん» 応援ありがとうございます！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 19時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
