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青江side
元に戻った鏡が再び景色を変える。
昨日と同じく肌に触れる霊力が変わる。
出陣の際に開く門のように、向こう側の見えない扉が開く。
何がでる？と自然に身構え、一歩、鏡から距離をとる。
ほんの少し、人工的な光の差し込む隙間に青い何かがその薄い身体をねじ込ませた。
「、は……？」
何だ、これはと思わず口に出す。
それほどまでに激しい違和感を僕に植え付けるソレは、恐らく誰もが見たことのある、折り鶴。
パタパタと羽ばたくわけでもなく、宙に浮いたそれは鏡という境を無視して此方側へと侵入し、ゆっくりと滑るように空を泳ぐ。
そして何かを探しているかのように縦横無尽に動き回っていた鶴は、僕に触れると同時に地に落ちた。
カタン、と鏡から音がし、慌てて目を向ける。
が、そこはただの鏡でしかなく、妙な感覚もしない。
数年間続いた少しの違和感以外、何も感じ取れはしなかった。
「青江……さん？」
呆然と立ち尽くす僕にかけられた細い声。
虎を連れた少年、五虎退くんは不思議そうに僕と床に落ちた折り鶴を交互に見た。
「え、と…………この折り鶴は……？」
聞いてもいいのか悪いのか、計り兼ねた結果聞くことにしたらしい彼が恐る恐る、といった様子で鶴をつまんだ。
「さあねぇ。
この鏡の向こう側から来たんだけど、一体何だったんだか」
「青江さんでも分からないことってあるんですね……」
買いかぶりだよ、と笑い、彼の手から鶴を受け取る。
この鶴がどういうものなのか石切丸に調べてもらわなくては。
「五虎退くんこそどうしたんだい？
夜に出歩くとお兄さんたちが心配するだろう」
厠で立ち話をするのもなんだと思い、粟田口部屋へと向かいながら尋ねてみる。
すると、彼の口から意外な言葉が出た。
「ぼ、僕……鏡の向こうにいる人に謝らないといけないんです……」
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灰雪(プロフ) - 壬卯兎さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！とうらぶ小説一緒に増やしましょう！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月14日 20時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
壬卯兎 - 面白いです！なんかもう、書き方から何まで凄く参考になります…これからも頑張ってください！＆私もとうらぶ書いてるので一緒にがんばりましょう！更新楽しみにしています！ (2017年12月14日 8時) (レス) id: 1ea793e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 苺パフェさん» ありがとうございます！狭いジャンルなので初めて読むと言われると嬉しいです！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 22時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - 面白かったです！初めて読むタイプの作品でした。大変でしょうが、続きがめっちゃ気になるので、更新、頑張ってください！ (2017年12月12日 21時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 銀色ミカンさん» 応援ありがとうございます！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 19時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
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