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金糸雀side
「なあなあ、じいちゃん！
あの話してくれよ！」
学校から帰ってくるなり玄関入って突き当たりの祖父の部屋に直行する。
もちろんランドセルは背負ったままで、新聞から顔を上げた祖父は苦笑しながら俺に言った。
「もう何回も話しているというのに飽きないもんだなぁ」
おいで、と手招きされ、ランドセルを部屋の隅に置いて祖父と向かい合うようにちゃぶ台の前に腰を下ろした。
父、母、俺の3人家族が住むこの一軒家に祖父が来たのは俺が小1の時だった。
それまで審神者という仕事をやっていたという祖父が語る話は、いっつも「父さんと母さんには内緒だぞ」 で始まるからか、妙に俺の心を浮き立たせる。
「そうだなぁ。
もうあらかた話してしまったし……。
カナはどんな話が聞きたいんだい？」
お茶を淹れながら困ったように首をかしげるじいちゃんに、決まり切ったことのように言う。
「刀剣男士のこと！」
だが、それだけでは範囲が広すぎらしく、もう少し具体的に、とやり直しをくらった。
「んー、じゃあ、じゃあ、じいちゃんの本丸にいなかったひとのこと聞きたい！」
じいちゃんはそれなりに長い間審神者をやっていたらしいが、年が年だったため、たくさんの刀剣をけんげん？することができなかったそうだ。
「おお、カナにはまだ話していなかったか？」
「そうだよ！
いっつもししおーとかいまつるとか自分の刀自慢しかしてなかったじゃん！」
ぶーぶー、と口を尖らせて野次を飛ばせば、すまんすまん、としわくちゃの手が頭を撫でた。
「それなら……カナもよく知ってる左文字の長男から話すとするか」
こうして、長い前置きと共に祖父の昔語りが始まる。
祖父がこの家にやってきてから早3年、1日たりとも欠かすことのなかった御伽噺を今日も聞く。
この三年間で俺の審神者に対する憧れは日々強くなる一方で、将来は審神者になる！とじいちゃんに言っては笑われた。
なんで笑われたのかは分からないけれど、俺の気持ちは変わらなかった。
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灰雪(プロフ) - 壬卯兎さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！とうらぶ小説一緒に増やしましょう！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月14日 20時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
壬卯兎 - 面白いです！なんかもう、書き方から何まで凄く参考になります…これからも頑張ってください！＆私もとうらぶ書いてるので一緒にがんばりましょう！更新楽しみにしています！ (2017年12月14日 8時) (レス) id: 1ea793e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 苺パフェさん» ありがとうございます！狭いジャンルなので初めて読むと言われると嬉しいです！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 22時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
苺パフェ - 面白かったです！初めて読むタイプの作品でした。大変でしょうが、続きがめっちゃ気になるので、更新、頑張ってください！ (2017年12月12日 21時) (レス) id: 92fa33393a (このIDを非表示/違反報告)
灰雪(プロフ) - 銀色ミカンさん» 応援ありがとうございます！更新頑張らせて頂きます！ (2017年12月12日 19時) (レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
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