【進撃・リヴァイ】最初で最後の愛を。最終章～それでもあなたと～ (ページ2)

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ハンジside

まだAがパラディ島にいた時、ある一通の手紙をAから渡された。

その手紙の中身は、たった一つ。

『リヴァイが死を望むのなら、死なせてあげてください。』

理由も書いてあった。

彼はアッカーマンで、Aに対してその習性を発揮しているらしい。

Aが先に死に、彼が苦しみながら生きるのであれば、どうか殺してくれ……という内容だった。

そして今、それが現実に起こっている。

大聖堂の裏側にある、無機質な白い部屋。

その中に、ベッドに眠っているAがいた。

ベッドの傍に、心電計があった。

それは、規則的に機械音を出している。……Aがまだ、生命活動を続けている証だ。

リヴァイが優しく、眠っているAにキスをした、その時。

心電計の音のテンポが、一瞬だけ速くなった。

「「「！」」」

Aは……リヴァイの存在に、気づいている……？

そんな、幸せな妄想に、私たち三人は目を見開いた。

「リヴァイ……」

彼の後姿を見る。枯れ木のようだ。

それもそうかもしれない。彼は今から、死ぬのだから。

「……そろそろ、いいか？」

「はい。では、薬の準備をしますので、少しお待ちください。」

静かに、時は過ぎていく。

目の前の男が死ぬ時が、とうとうやってきた。