翠色の瞳の貴方へ (ページ36)

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熱愛　#3 ページ36

「なに、今の」
「え？」
「何でAが、フィンクスと、キス、してるの？」
「えっ！？ちょっ、何のはなっ……っ」

そう言うや否や、話を全く聞かずに私の唇を奪うシャル。ちゅ、と触れるようなキスではなく、舌を使って私の口内を犯してくる。
抵抗なんて出来るわけもなく、私もなんとか必死にシャルに応えようとするが、身体の力が抜け地面へへたり込んでしまう。

「っはぁ……っぁ、はぁ……シャル………っ急にどうしっ……」

乱れる息を整えながら必死に言葉を紡ぐが、シャルは私を見下ろしたまま動かない。

「シャル怒ってる、の？私何かし」

何か地雷を踏んでしまったのか、私の腕を引き上げその勢いでベッドへ押し倒すシャル。怒りに満ちていた顔が今度は悲しさに満ちていた。

「シャル、どうしたの？」

シャルの頬へ手を当て、諭すように問いかける。

「シャル、私フィンクスとキスなんて、してないよ？」

先程シャルが言っていた言葉を、シャルの目を見て改めて否定する。
でもその言葉を聞いても尚シャルの表情は固く、涙を堪えている様にも見えた。
シャルの悲しそうな顔を見るのが辛くて、両手でシャルの頬を包む。そしてそのまま私の元へと引き寄せ、触れるだけの優しいキスをする。

「シャル、私がキスをするのは、シャルだけだよ」
「本当に？」

シャルの消え入りそうな声が耳に残る。

「本当だよ。ね？」

そう言い、またキスをする。触れては離れ、触れては離れ、お互い角度を変え、色んな表情を楽しむ様に飽きることなくキスをする。

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