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衝動 #5 ページ33

「見せてくれてありがとう」

長い沈黙の後、シャルが巻物を私に手渡す。

「良かった、Aが今を生きていてくれて」

言葉の意味が分からず、少し困惑してしまう。

「Aが不老不死として産まれてなかったら、俺達出会うことって絶対に無かったでしょ? だから」

そう言われて、ハッとする。シャルの言う通りだ。
私が普通の人と同じ寿命で生きていたら、シャルに出会うことも団員達に出会うことも絶対に無かったんだ。

「シャル、もしかしたら私、シャルに出会うために産まれてきたのかも」

泣き腫らした目をぐっと開きシャルへ告げると、シャルは照れくさそうに笑った。

「初めて、産まれてきて良かったって思えたよ私。産まれてきて、シャルに出会えて、皆に出会えて良かった」
「俺もだよ」

シャルはそう言い私を抱きしめる。ほんの数秒で離れていくシャルの身体が少し名残惜しい。
ここは本拠地で、誰に見られるか分からないから、軽率な行動は出来ない。そう思っているんだろう。

「後で団長達にも読ませてあげてよ」
「え? でも皆もう読んだんじゃ……」
「最初の数行だけね。読んでみて、これはAが一番に読むべきだって皆の意見が揃ったからさ」
「そうだったんだ……」

あんなに巻物に執着していたクロロさんでさえ、私を尊重して読まずに居てくれたなんて……。

「シャル、私これ皆に渡してくるね」
「うん。俺はまた部屋に戻ってるから」
「ごめんね、シャル。せっかく休んでたのに……」
「言ったでしょ? 何があってもAを守るって。先に言っておくけど、これから先俺がAに対してする行動は、全部俺が、俺の意思で、Aにしてあげたいって思ってすることだから謝らなくていい。ね?」
「シャル……」

真っ直ぐ私の目を見つめ力強く放たれる言葉にで、心が少し強くなる。
アイリッシュ・モスコ。私のお母さん。胸の中で今も鮮明に輝く思い出の日々。ありがとう、私を産んでくれて。
この巻物のお陰で、私は私を知れた。少しだけ、産まれてきた意味を知れた気がした。ありがとうお母さん。貴方への想いははいつも私の心臓にあるよ。

.

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作者名:咲月 | 作成日時:2020年1月8日 0時

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