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「……あれっ、」
その数日後、
大毅は突然、旦那を忘れました。
「…だいき？ ほら、淳太くんやんっ、
あんた、大好きやろっ？ 淳太くんのこと、」
ふわりと目が開いたのを見て、
旦那が肩を叩き、声をかけた途端、
不安げな顔をして、私の方を見つめてきた、大毅。
それは何かを忘れた時に見せる顔で、
もう、私にとっては、
慣れっこになりつつあった表情だったのに、
さすがに、この時は、かなりショックを受けました。
「まぁ、そのうち思い出すよな？ 大毅。
あんなに俺のこといじくりまわして、
病気になったから忘れるとか、俺、許さんぞ？」
そう言って笑いながらも、
寂しさを隠しきれてない、旦那。
目が泳いでました。
私が見てないと思うと、ふと唇を噛み締めてました。
「…俺、学校行きたくない、」
そしたら、なにも言ってないのに、
私たちの異様な空気から、何かあったんだと察知し、
しまいには、そんなことまで言い始めた、望。
「…どうしたんよ、急に？」
「だって、少しでもいっぱいだいきの側にいたいもん、
学校も嫌、部活も嫌、もう甲子園なんかどうでもいい、」
そう言われた時は、さすがに怒りました。
「それで、だいき喜ぶと思う？
そりゃ一緒にいてほしいよ？ でも、
全部イヤイヤしたら、だいきも怒ると思うなぁ、」
大毅は、根はびっくりするほど真面目なヤツです。
それを私は、もちろん、望も知っていました。
「でもっ、忘れられたくないっ、
俺がおらん間に、だいき死んじゃったら嫌っ、」
「そやね？ でも、のんちゃん、学校サボったら、
だいき、めっちゃ怒ると思わへん？」
だから、そう問いかけると、
少し迷いながらも、うん、って頷いてくれて。
なんか、ふと、いろんな2人を思い出しました。
どうしても勝ちたいからって、
ルールを破った望に大毅がキレたこととか、
寝坊して友達との約束をすっぽかした望に、
大毅がちゃんと謝れって促してくれたこととか。
「だいきになんかあったら、
すぐ、連絡してな、 絶対な、絶対やで、？」
そう誓った日の夜、
大毅はまた唾液を詰まらせ、呼吸困難になりました。
電話がかかり、3人ですぐさま病院へ。
時間は、止まらず、
ただただ、進み続けました。
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のん(プロフ) - この作品大好きです。素敵な作品をありがとうございます。表現素晴らしいです。涙が止まりません。一瞬でファンになりました。 (2020年7月25日 2時) (
レス) id: 56343318d5 (このIDを非表示/違反報告)
ごま - 声出して泣くくらい本当に号泣です。素敵な作品に出会えてよかったです!ありがとうございます。 (2020年5月10日 1時) (レス) id: d07563048d (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - 初めまして！久々に小説で号泣しました。友人に勧めたくなるくらい素晴らしいお話に出逢いました。ありがとうございました。 (2020年5月6日 17時) (レス) id: a6f24fa91f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - はじめまして、知り合いに勧められて一気に読みました。途中から涙が止まらなくて、親には心配されました笑多分何回もまた読みに来ると思います、最高の作品でした。作者さんの他の作品も読んでみますね。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年5月5日 9時) (レス) id: f84ebdac68 (このIDを非表示/違反報告)
たぁ(プロフ) - こんにちは。もう一度読みたくなってきちゃいました笑 ほんとにこの作品素晴らしいです>_< 何度涙を流したことか…最高の作品をありがとうございます。 (2020年5月4日 17時) (レス) id: 4b1a527b81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 x他1人 | 作成日時：2017年1月4日 18時
