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「今年もみんなが元気で過ごせますよーに!」
年明けは、みんなで近所の神社に行ってから、
例年通り、旦那の実家と私の実家に行きました。
「だいき、遅い! 早よせえ!笑」
「まって!? お前、ひど! 俺の足見て!?笑」
我が家では望がいじり倒すぐらい、
大毅のことは当たり前になっていたのですが、
実家ではさすがに驚かれましたね。
でも全く、嫌がられてはいませんでした。
お金持ちな旦那の実家は、
いつでも治療費には加担してやる、と言ってくださり、
私の実家は母を中心に、大毅の病気を治す方法を、
必死に探してくれていたんですから。
嬉しかったです、本当に。
久々に会ったいとこ達に、
大毅の歩行補助器具をつけた足は、
もの珍しそうに見られてました。
そしたら大毅、
こっから変身できるねんで、とか言い始めて。
あっという間にちびっ子達のヒーローになってました。
ちょっと足が不自由なヒーロー。
やられっぱなしでしたが、めっちゃかっこよかったです。
「ほんまに大丈夫?」
そして、あっという間に新学期。
大毅は変わらず電車で行きたいと言いました。
「いけるいけるー。
だってめっちゃ早めに着く予定やし、相棒増えたし。」
ずっと気に入ってたエナメルバッグは、
身体のバランスが取れなくなるために、
新しくリュックサックに代え、
左手には、ロフストランドクラッチという杖。
腕と握れる棒の二箇所で支えられるやつで、
まさに “相棒” が増えたから大丈夫!と、
本人は言い張ってました。
マサオ、って名前までつけて。
もうほんまにアホ。笑
「人多かったら席譲ってもらってええんやで?」
「うん、わかってるわかってるー。」
「ほんで無理なったら電話して? いつでも行くから。」
「じゃあ、パン買おてきてほしい時にするわ。笑」
「こら、誰がパシリやねん。」
ほんで、自分の言うたことに、
くふふ、って変なところにエクボを作りながら爆笑。
その笑顔を見たら、なんか大丈夫そうな気がしてました。
「とりあえず初日やから、
今日は駅まで淳太くんと行ってな?」
「はーい。」
「じゃあ、いってらっしゃい、気をつけね?」
また踏み出した、新しい一歩。
その一歩を踏み出す大毅の姿は、いつも輝いていました。
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な - 昔から大好きなお話なので、もしよろしければ Wordに内容を書き出させて頂いても宜しいですか? どこかに投稿やアップなどは一切致しません。 (2023年4月12日 23時) (レス) id: 144323ef08 (このIDを非表示/違反報告)
mothernature110(プロフ) - 24時間テレビ出てほしいですよね (2017年4月2日 19時) (レス) id: 167eecf0f9 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - すごく感動しました。更新大変だと思いますが、これからもお願いします! (2017年1月4日 17時) (レス) id: 129d5a1fa9 (このIDを非表示/違反報告)
こためるこ(プロフ) - ほんとに号泣です ;_; もう涙止まりません! 更新頑張ってください! (2017年1月3日 2時) (レス) id: faa6f22767 (このIDを非表示/違反報告)
smile06302050(プロフ) - はじめまして!Twitter絡ませていただきます! (2017年1月2日 23時) (レス) id: a1e554584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉都香 x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 20時