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鈍感【イルーゾォ】 ページ3

やたらと近いし絡んでくるとは思ってた。


「ちょっと買い物にいってきます」

 そう言ってアジトから出ようとした時、ふと鏡の中の赤い瞳と目が合った。

「…?イルーゾォ?何か食べたいものでもあるの?」

「…いや」

 そう言うとズルリと鏡から出てくるなり、私に向かって不敵に笑った。

「荷物持ちしてやるよ。お前みたいなのじゃ重い荷物なんて持てやしねぇんだからよ」

「…?そうでもないけど…荷物持ちに来てくれるなら助かるわ」

ふふん、と笑ってイルーゾォが私の隣に立つ。その距離が少し近いような気がした。

(気の所為、かな)

 イルーゾォがパーソナルスペースの狭い人間なだけかもしれないし、私も別に近いからと言って気になるタイプではない。

「…おい」

 アジトから出たところで不意にイルーゾォが声をかけてきた。

「なんか1枚羽織っとけよ。薄着すぎるんだよ、風邪ひく気か?」

「…そう?」

 確かにこの時期にしては少し薄手かな…というくらいだが、そんなに寒いとは思わない。

「それに、そんな格好じゃ街で男に引っ掛けられちまうぞ。お前みたいな単純女はそういうのに弱ぇんだろ」

 ちょっとカチンときた私は、悪戯っぽく笑って見せた。

「あなたって、随分お節介焼きなのね」

 それとも、と彼の眼を覗き込む。


「私に惚れてる?」


 なんてね、と笑ってみせると、イルーゾォは驚いているようにこちらを見た。

「はぁ…!?お前……マジかよ…!!」

 イルーゾォが眉間に皺を寄せ、頭を抱える。

「鈍い奴だなぁとは思ってたが…!!いくらなんでもそりゃあねェだろうが…!!」

「…?」

「一緒に酒飲んだり!!鏡の世界に入らせてやったり!!酔いつぶれたお前を運んだり!!色々やったんだぞ、この俺が!!」

 信じらんねぇ…と頭を抱えるイルーゾォに、ようやく理解が追いついてきた。

(近いと思ってたのも、色々絡んでくると思ってたのも…気の所為じゃなかったの?)

 あっ、と声を上げ、イルーゾォが私の肩を掴んだ。

「お前、ほら…たまにキスしたりハグしたりしたろ!あれは!?」

『仲いいから…』

 尻すぼみになった言葉にイルーゾォはため息をついた。

「…なぁ、どうしたらいい?」

 イルーゾォが不意にそうつぶやくと、私の顔を覗き込んだ。綺麗な赤い瞳の中に負けず劣らず赤い私の顔が写り込む。

「鈍感で、恋愛感情なんてわからねぇ、お前みたいな奴に…」



「どうしたら俺は好きだと信じてもらえる?」

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りと(プロフ) - ∴さて、どこへ行こうか。さん» リクエストありがとうございます!返品が遅くなってしまい、大変申し訳ありません<(_ _)>リクエストの方、承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で取り扱わせて頂きたいと思います(^^♪ (2021年8月23日 23時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ?さん» ?さん、リクエストへの返信が大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした<(_ _)>リクエスト承りました!ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせていただきますヽ(*^^*)ノ (2021年8月12日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モカさん» 返信がとても遅くなってしまい、申し訳ありません!リクエスト、承りました! (2021年7月19日 22時) (レス) id: b238753ec9 (このIDを非表示/違反報告)
∴さて、どこへ行こうか。 - リクエストです。普段甘えない花京院典明の恋人(夢主)が甘える、という内容なのですがよろしいでしょうか?出来れば生存ifを希望します… (2020年11月6日 19時) (レス) id: a195df0bb5 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - リクエなのですが、露伴先生と病弱な夢主が恋人関係なのですがその病弱な夢主が意外にも悪徳的なスタンドを持っている事を知って何があったのかと聞くと泣きながら過去にあった親からの虐.待などを夢主が語っていき、その日は思う存分甘えされるみたいなのをください! (2020年3月27日 16時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りと | 作成日時:2019年1月9日 21時

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