距離感【フランキー】 ページ8
私の彼は優しすぎる。
(大事にされてる、ってのはわかるんだけど…)
私は大きくため息をついた。
(いつになったら手を繋いでくれるの…)
付き合ってもうすぐ半年になる。それなのにキスどころか手を繋ぐことすら出来ていない。好きだって言ってくれるし、とても大事にされてるのは分かっている。
だけど、不安だった。私が好きなばかりで本当は彼に付き合わせているだけのような気がした。多少変態じみたところがあるが、いざという時の彼は驚くほど格好いいのだ。今更ながら、自分が釣り合う女なのかと思ってしまうくらいに。
「お？ここにいたのかよ」
「フランキー…！」
「なんだァ、1人酒か？」
私の顔を覗き込んだ彼に、私は曖昧な笑みを浮かべた。
「隣、座らせてもらうぜ」
そう言って隣に貴方が座る。
「何かあったんだろ？この俺に言ってみな。ドーン、と受け止めてやるぜ！」
明るく笑う彼に、私は思わず口を開いていた。
「…私のこと、本当に好き？」
「なんだァ、急に…」
驚いたようにそう言うと、彼は怪訝そうな顔をした。
「好きに決まってるだろ。そうじゃなきゃ…彼氏になんかならねぇよ」
照れたようにそう言う彼に、普段ならときめくのだろう。だが、酔いのせいか、不安ばかりが胸に押し寄せてくる。
「…だよね。ごめん、当たり前のこと聞いて」
そう言ってから、自分の面倒くささが情けなくなってくる。彼の女だ、と堂々と構えていたいのに、それすらうまくできないのが辛い。
「俺ァ、お前が大事だ。世界で一番な」
急に彼がそう言った。普段の変態はナリをひそめて、突然かっこよくなるのだから、ズルい。ゆっくりと貴方は私の目の前に手を差しだした。
「この手は強くてデカイ。だから、お前に触れたら壊しちまいそうでよ…正直、ちとビビってた。不甲斐ねぇ男ですまん」
そう言った彼に、私は戸惑った。謝られるようなことじゃない。むしろ、謝るのは私の方だ。
「…ごめんなさい。私、貴方の思い、ちゃんとわかってなかった」
だけど、と私はそっと彼の手を握った。私の手の大きさじゃ指先を握るので精一杯だ。
「でも、私は貴方が思うより丈夫だから…遠慮、しないでほしい」
彼はみるみるうちに赤くなり、私から少し目をそらした。
「ゆっくり、でいいか？」
「？」
「どうもこういうのには慣れてねぇから…」
私は頷いて少し微笑んだ。
二人の距離感は少しずつ、着実に縮まっていきそうだ。
不老不死【ブルック】→←素直じゃない優しさ【カク】 リクエスト･あさみかんさん
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りと(プロフ) - こゆさん» お返事が遅くなってしまい、すみません<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせて頂きますねヽ(*^^*)ノ (2021年8月11日 19時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 夢主がロシナンテと女性が仲良さげに話していて嫉妬する話を見て見たいです！ (2021年8月9日 23時) (レス) id: 0874e209a6 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - マリコさん» マリコさん、リクエストありがとうございます！しかし、残念ながらこのリクエストは受けられません…すみません<(_ _)>プリキュアに関する知識がないことや、私自身の地雷に抵触する部分がありますので…|ω･`)他の短編集でのリクエストをオススメします(´∀｀*) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(^^♪修正・加筆後に、また新たなお話を追加していく予定ですので、待っていていただければ嬉しいです(*´∀｀) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(>人<) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年1月16日 22時
