素直じゃない優しさ【カク】 リクエスト･あさみかんさん ページ7
貴方の優しさは素直じゃない。
「お前さん、また派手にやらかしとるな？」
そう言う声に顔を上げると、丸い大きな目と目が合った。黒い服に身を包んだ彼の顔は呆れたように、足元に散らばっている書類と割れたコーヒーカップを見ていた。
「いつも言うとるじゃろうが。こんな風に日ごろからドジを踏んでたら、何か有事の際には真っ先に死ぬ。いい加減、どうにかならんのか？」
「カク、さん…」
ため息を一つつくと、彼は落ちていた書類をかき集め始める。私よりも遥かに手際が良い彼は、あっという間に濡れていない書類をまとめ終えてしまうと、私に差し出した。
「足りんのは７ページ目、13ページ目、29ページ目、58ページ目……と言っても、覚えられんか」
また小さなため息をつく。そして、彼はまっすぐに私を見た。
「のお、お前さん…海軍、辞めたらどうじゃ」
思わず何も言えない私に、カクさんは軽く眉間にしわを寄せた。
「お前さんのドジっぷりは、何度も見てきた。そのドジのツケを自分で払えりゃまだいいが、下手を打てば他の海兵まで危険にさらす。それに、そもそも海軍は、お前さんみたいにひ弱なドジがやってける場所でもあるまいて」
彼の言葉は正しいからこそ、辛い。それに、あこがれの人の前で、いつもこうしてドジを晒す自分が情けない。
「…！なッ！？」
驚いた顔でこちらを見たカクさんの顔がぼやけた。すぐに、自分が泣いているからだということに気が付く。慌てて目元を拭う私に、カクさんは目に見えて狼狽した。
「な、泣いとるんか？」
「…違います」
「泣いとるじゃろうが！」
慌ててハンカチを差し出そうとしてくれたが、すでにこぼれたコーヒーの処理に使って汚れている。「ああ、違う」と叫んで、すぐにそれをしまうと、彼は大きくため息をついた。
「…なんでわしはいつもこう…」
目に見えて落ち込んでいる彼に、私は困惑していた。あのエリート集団CP9の一人が、どうやら私のために感情を乱している。
「なぜ、いつもこうもうまくいかん…！」
小さく呟いている彼の声に、私は目を丸くしていた。
「ああ、クソ…単純に好きじゃから、心配だって言えばよかろう…が…」
頭を抱えて呻いていた彼と、目が合った。お互いの顔に熱が集まる。
「あの…」
顔を真っ赤にして逃げ出そうとしている彼の手を掴んだ。
「あの…私も、カクさんが好きです…」
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りと(プロフ) - こゆさん» お返事が遅くなってしまい、すみません<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせて頂きますねヽ(*^^*)ノ (2021年8月11日 19時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 夢主がロシナンテと女性が仲良さげに話していて嫉妬する話を見て見たいです！ (2021年8月9日 23時) (レス) id: 0874e209a6 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - マリコさん» マリコさん、リクエストありがとうございます！しかし、残念ながらこのリクエストは受けられません…すみません<(_ _)>プリキュアに関する知識がないことや、私自身の地雷に抵触する部分がありますので…|ω･`)他の短編集でのリクエストをオススメします(´∀｀*) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(^^♪修正・加筆後に、また新たなお話を追加していく予定ですので、待っていていただければ嬉しいです(*´∀｀) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(>人<) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年1月16日 22時
