会いたい 【マルコ】 ページ20
会いたい。
あいつを置いていったのは俺だった。あの日、あいつにただ待っていてくれと言った。あいつは分かったと寂しげに笑ってた。あの日から何年経っただろう。
「よお、マルコ。落ち着かなさげだな」
「…サッチ」
いつもの笑顔を浮かべたサッチが俺の隣に腰を下ろした。
「次の島、お前にとっちゃ馴染みが深いんだろ？何そんなにそわそわしてんだ？」
「…色々あんだよぃ」
「ふーん……島に女でも残してきたか」
「っ！」
「なんでぇ、図星かよ」
ゲラゲラとサッチが笑った。
「で、何年待たせた？」
「…5年は待たせてるねぃ」
「あ〜…そりゃもう諦めた方がいいんじゃねェの？」
サッチは気軽にそう言うが、それは無理だと内心思う。愛してる、なんて言葉じゃ表せないくらいにあいつが好きなのだ。あいつを守るだけの甲斐性が昔の俺になかったから、置いていくしかなかった。
(でも、今は…今なら…)
「島が見えたぞ〜！！」
遠くで仲間の声がした。
「俺が様子を見てくるよぃ」
俺はそう言うと1人で島の中に入った。何年も経ったのに変わらない島の風景が、懐かしく感じる。そんなことを思っているうちに、島の町にたどり着けた。
「すまねぇ。ちょっといいかい？」
通りがかった男に声をかけると、男の目が大きく見開かれた。
「あ、あんた！マルコさんか！？」
「あ？そうだが…」
「…遅かったんだよ、あんた…！」
「は？何を急に…」
声を荒げる男をなだめようと肩に手を置くと、その手を痛いほど強く掴まれた。
「Aは死んだ！！あんたを待ち続ける間に！！」
ガン、と頭を殴られたような衝撃を感じた。それと同時に、目の前の男がかつて俺と同じようにAに惚れていた男だと気が付く。
「流行り病にやられて…あんたの名を呼びながら死んでいった…！！」
そう言って泣いている男に、俺は何を言ったのかはよく思い出せない。気が付いたら、俺は船の自室にいて、滅茶苦茶になった部屋の中心に座り込んでいた。
(俺は…間に合わなかった…)
俺の冒険譚を聞いて目を輝かせるあいつの顔も、俺の名を呼ぶあいつの声も、抱きしめた体の華奢さも、全て覚えている。
覚えているからこそ、苦しい。今も、瞼を閉じればあいつが目の前にいる。だが、それに触れることはこの先何があってもかなわない。
絞りだした声は情けない程震えていた。
「会いてェよ、A…」
家族【白ひげ】リクエスト・動物大好きさん→←贈り物の意味【イゾウ】 リクエスト・動物大好きさん
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りと(プロフ) - こゆさん» お返事が遅くなってしまい、すみません<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせて頂きますねヽ(*^^*)ノ (2021年8月11日 19時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 夢主がロシナンテと女性が仲良さげに話していて嫉妬する話を見て見たいです！ (2021年8月9日 23時) (レス) id: 0874e209a6 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - マリコさん» マリコさん、リクエストありがとうございます！しかし、残念ながらこのリクエストは受けられません…すみません<(_ _)>プリキュアに関する知識がないことや、私自身の地雷に抵触する部分がありますので…|ω･`)他の短編集でのリクエストをオススメします(´∀｀*) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(^^♪修正・加筆後に、また新たなお話を追加していく予定ですので、待っていていただければ嬉しいです(*´∀｀) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(>人<) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年1月16日 22時
