Wait For You【ドンキホーテ・ドフラミンゴ】 ページ15
誰かをこんなに想ったことは無かった。
毎日がひどく憂鬱だ。
(お前がいねェからか…)
そんなことを思いながら、ぼんやりと虚空を見つめる。妖艶な女も、美味い料理も、好みの酒も、何も俺を慰めることは出来なかった。世界に何の意味も感じられない。こんな気持ちになったのは、初めてだった。弟をこの手で殺した時も、ここまでの虚無感はなかった。
「A…」
掠れた声で名前を呼んでみる。
「どこに…行っちまったんだ…？」
消えたAの面影を追うように、2人で訪れた場所を1人で手当たり次第に探した。なのに、どこにもいない。
ぼんやりとした視線を静かにドアに移した。お前がまたここから戻って来たらいいのに、と願いながら。
「帰ってこいよ…」
あいつは特別だった。全てを壊し尽くしたいと思ったこのどうしようもない世界の中で、唯一傷つけたくない女だった。
「フ…フフ…」
この目から落ちたのはなんだ。静かに頬を濡らすそれを拭い、俺はまたぼんやりと虚空を見つめた。
何をしてやればよかったんだろうか。
どうすればお前はまた俺の隣で笑うんだ。
「A…」
俺に出来ることはなんだ。
「…」
額を抑える。なぜか、ひどく眠い。
「…ドフィ」
優しい声がした。
「…！」
柔らかな手が俺の頬に触れる。
「ドフィ……好きよ…」
ひどく、眠い。お前がここにいる。それなのに。
「でも…もうおしまい」
「や…めろ……そんなことを…言うな…」
うまく舌が回らない。酒を馬鹿みたいに飲んだあとのように、意識がぼんやりとしている。
「私は…もう貴方とは会えない」
「…やめて…くれ…」
わかっていたさ。お前が海軍だってことは。
でも、それでも良かった。
「ごめんね…あなたを騙してた」
「行くな…」
「だけど、私は死ねないの。だから、さよなら」
俺を置いていくな。
俺から離れるな。
「俺は…まだ、お前を愛してる…たとえ、お前が海軍だったとしても…！」
Aの手が微かに震えた。
「だから…」
どうせ、お前を引き止めることは出来ない。
ならば、せめてお前の記憶の中にずっと俺を留めていればいい。いつまでも、俺を忘れないでいればいい。
この言葉が、お前を永遠に呪ってくれればいい。
二度と俺以外の誰かを愛せないように、と願いながら、俺はAの手に触れた。
「何年経とうが…お前をここで待つ…」
I choose you【ペロスペロー】 リクエスト・白神さん→←傷痕【マルコ】
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りと(プロフ) - こゆさん» お返事が遅くなってしまい、すみません<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせて頂きますねヽ(*^^*)ノ (2021年8月11日 19時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 夢主がロシナンテと女性が仲良さげに話していて嫉妬する話を見て見たいです！ (2021年8月9日 23時) (レス) id: 0874e209a6 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - マリコさん» マリコさん、リクエストありがとうございます！しかし、残念ながらこのリクエストは受けられません…すみません<(_ _)>プリキュアに関する知識がないことや、私自身の地雷に抵触する部分がありますので…|ω･`)他の短編集でのリクエストをオススメします(´∀｀*) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(^^♪修正・加筆後に、また新たなお話を追加していく予定ですので、待っていていただければ嬉しいです(*´∀｀) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(>人<) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年1月16日 22時
