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Harry side
・
『選手諸君に渡したい物があったんです！』
さっきまで記者のリータに捕まっていた先生がくるっとこちらを振り向いた
相変わらずのにこにこ笑顔だが、今の僕には何だかその笑顔ですらも……胸をざわつかせるだけだった
あの日、ムーディ先生に言われたこと
「今、この城の中でお前だけを気にかけ、守ってやれるのはこの俺だけだ
Aじゃない！」
ポップルウェル先生は……僕だけの先生じゃないのだと
今まで考えないようにしていた辛い事実を、改めて突きつけられた瞬間だった
どんなに仲が良いと思ったって
どれだけ先生に愛されてるって思い込んだって
結局僕と先生は……ただの生徒と教師
あくまでも他人でしかないのだと
どんなに望んだって……先生が僕の父さんになってくれることはないんだから
「………」
何だか泣きそうになってきて、他の選手と楽しそうに話している先生から目を逸らす
『ハリー』
「えっ」
突然優しい声で名前を呼ばれて肩が跳ねる
振り向くと、優しく目を細めた先生がこちらを見ていて
楽しそうにポケットをゴソゴソしだした
『はい、お守り』
「お、お守り？」
『おや？その様子だと、さっきの話を聞いていなかったようですね？』
先生は困った様な顔をして、簡単に教えてくれた
今回、危険な課題に取り組むにあたって
先生が選手全員に、それぞれの命を守る呪いをかけた石を配っているのだそうだ
手足がちぎれても、目が潰れても
命だけは守られるように……と
「ありがとうございます……」
受け取った石は小さくて、クリスタルのように白かった
先生みたい……自然とそう思って少し笑う
『やっと笑顔が見れました』
「え？」
クスっと笑う先生の言葉に目を点にする
『何でもありません、ハリー
頑張って下さいね』
絵に描いたように美しく笑う先生に目が潤む
「がんばり……ます」
泣きそうな声を出した僕を驚いたように見た先生は、その華奢な手で頭を撫でてくれた
久しぶりに先生に撫でてもらえて、今すぐにでも大声を出して泣きたくなった
そうだ……自分で避けておきながら、本当にどうしようもない奴だけど
僕はこの数日間、本当は寂しくて仕方なかったんだ
他の選手も居る手前、泣き叫ぶなんて事は出来なくて
記者達に向けられたフラッシュを眩しく感じながら、僕は先生に思いっきり抱きついた
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わさび(プロフ) - やよいさん» コメントありがとうございます！体調の心配も……なんてお優しい！！！更新遅れてすみません！もう少ししたら再開致しますのでお待ち頂けると幸いです！ (5月22日 22時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 初コメ失礼します！お話とてもおもしろかったです！お体に気をつけながら更新がんばって下さい！応援しています！ (5月20日 19時) (レス) @page38 id: fcb1a6dad0 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 真昼さん» 返信が遅くなり申し訳ありません！！！！待っていてくださる方がいてとても嬉しいです！！！！暖かいコメント、本当にありがとうございます！！！！！ (5月9日 0時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - ヴォルデモートが登場するのが、待ち遠しいです！！ 続きも頑張ってください！ ずっと応援しています！ (5月6日 21時) (レス) @page36 id: 4aa49d82fe (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - 散歩するトマトさん» こんな時間に……っこんな時間に読んで頂きありがとうございます！！！！お優しいコメント痛み入ります……、寝て……寝てください……() (2023年3月27日 1時) (レス) @page31 id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび | 作成日時：2022年10月29日 22時
