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医務室を出て通常業務に戻った。
マグル学は3年生からの選択科目の為、スリザリン生が比較的少ない特徴がある。
今日も見渡す限りハッフルパフ生とグリフィンドール生ばかりだ。
『それでは授業を始めます』
人に何かを教えることは楽しい。
自分でも気づけなかった事に気づくことができるし
何より誰かの知識を僕が増やしてあげられる事に大きな幸福を感じる。
巷では魔法省で闇払いをやっていた僕が闇の魔術に対する防衛術を教えていないことに疑問を持つ人が多いようだが
マグル学を教えたいと頼み込んだのは僕自身。
なぜって………
「先生！魔法を使わずに火をつけれるって本当ですか？」
「風も起こせるのよ！」
「氷だって作れるわ、信じられる？」
「魔法を使わずに！？」
そう、魔法という便利なものに慣れてしまっている彼等にとって、マグルの生活ほど理解できないものはない。
『その通りです。
マグルは確かに魔法が使えません、それは貴方達にとってとても不思議でおかしく見えるでしょう』
マグルは魔法が使えない、でも、だからこそ………
『彼らは出来ないことを嘆くのではなく、出来ることを見つけ
そしてそれらを"工夫"して努力し、彼等にとって便利な世の中を作り上げているんですよ』
キラキラとした生徒たちの瞳。
わかる、わかるよ。
『マグルは確かに魔法が使えない。
でも確かに僕らよりも優れている、そう思いませんか？』
魔法が使えるから優れている、使えないから無能……そんな考えはなんともくだらない。
むしろ魔法が使えないのにここまで存在を大きくした彼らに学ぶことの方が多いのだ。
「でも、マグルはおかしな奴らです！
意味も無いのにゴムのアヒルを作ったり、使い魔じゃなくて人間が手紙や荷物を運んだりするんです！」
「おまけに杖を振れば簡単にすむことを、長い年月かけてまで研究する！」
「箒で空も飛べないし、姿くらましで瞬間移動もできない！
それなのにわざわざ時間をかけて地球上どこへでも旅をするんだ！
全く変な奴らだよなぁ……」
『ふふっ、そうですね……。
でもね？』
魔法を使わずに空を飛ぶことは彼等の夢になり、
時間をかけた旅は最高の思い出になる。
そして魔法ではなく、自力で発見した新事実はその人の生涯誇りになり続けるだろう。
『彼等からしてみれば、それを放棄した僕らの方がよっぽど
"変な奴ら"なんですよ』
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わさび(プロフ) - 海月湊さん» 嬉しいコメントありがとうございます！そう言って頂けると励みになります！これからもよろしくお願い致します。 (2022年9月2日 21時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
海月湊(プロフ) - とても面白かったです。私好みの、作品でした。続きを楽しみにしています。更新頑張って下さい。 (2022年9月2日 18時) (レス) @page20 id: 5a465236d8 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - ぶどうさん» 応援のコメントとご指摘ありがとうございます！編集いたしました！これからもよろしくお願いします´`* (2022年8月27日 21時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - コメント失礼します。凄いスラスラ読めて、とても面白かったです。これからも応援してます！(細かい事ですが、マルフォイのファーストネームはドラコだと思います) (2022年8月27日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび | 作成日時：2022年8月23日 15時
