忍術学園の六年生には、女子がいる ８

絶対に取り戻すの段12 ページ27

しかし、長次の動きは止めたとしても孫兵が危険な状態となっていた


八左衛門は、容赦なく孫兵を攻撃し休む暇も与えない



微塵が孫兵の頭に振りかざされる



竹谷「悪いな、孫兵。」



『孫兵！八左衛門、辞めろ！』



孫兵「こんな所で…諦められない！」



必死に叫ぶAの姿が目に入った孫兵は、虚ろだった瞳を大きく見開く


ー こんな光景は、見たく無い

何時もの、変わらないけど幸せな日々を失うのは嫌だ


自分の願いを思い出した孫兵は、目に闘志を表した



微塵を避けると、Aから教わった体術で八左衛門を蹴り飛ばす


突然のことに、倒れ込んだ八左衛門に孫兵は微塵を持ちながら近づいた



『よくやった孫兵！…危ない！』


荒い息をした長次が力を振り絞って、縄鏢を孫兵に投げた


Aが手を伸ばして、止めようとした瞬間に突然現れた何かが苦無で弾き飛ばした



久作「大丈夫ですか⁈先輩！」



『久作！よく来てくれた！』



孫兵「これで、大手だ！」


Aは、長次を木で縛り付けると孫兵と久作と共に残った八左衛門に飛びかかった


まだ起き上がろうとする八左衛門を孫兵と久作が、体術を使って動きを止める


微塵をAが取り上げ、同じく木で縛り付けた




東の方には、四郎兵衛が援護に現れた



滝夜叉丸と四郎兵衛は、違う方向から攻撃を仕掛ける



小平太は、狼のような瞳で苦無を持つ四郎兵衛を見る


ニヤリと笑うと、勢いよく四郎兵衛に苦無をぶつけて来た



四郎兵衛「いい加減…正気を取り戻してください！」



七松「何を言ってる。これが私だ。しかし…中々やるな…四郎兵衛。」



思いっきり苦無を飛ばそうとする四郎兵衛に小平太は、楽しそうに狂気的な笑みを浮かべた



しかし、その隙に後ろに回った滝夜叉丸が小平太の腕を輪子で切りつけた



思わず苦無を小平太が落とした瞬間に、滝夜叉丸と四郎兵衛は蹴りをかました



三之助もボロボロの体になりながらも、隙を探していた



目が笑っていない雷蔵が此方へ向かって来た時、体育委員会で鍛えた瞬発力を生かして、木の上へと移動した



驚く雷蔵に三之助は、拳を握り締め雷蔵の体に拳を打った



三之助「諦めなければ、どんなに不利でも勝てるんだ。僕は…何時もの毎日を取り返すなら…強くなれる！」



不破「…なるほどね…」



倒れ込んだ二人に、きつく縄を巻く


此方も成功したようだ

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