記憶は何処へ?の段5 ページ15
安心した様子の孫兵に捕まえた虫を、Aは渡した
孫兵は、お礼を言うと立ち去ろうとしたが、またAの方を振り向いた
孫兵「昆虫探しに行きましょう!」
『昆虫探し⁈』
虫網を渡されたAは、孫兵について行く
ついた先には、草木が生い茂り虫がたくさんいそうだった
『虫…あ、いた!』
孫兵「何か取れました⁈」
『トノサマバッタ!』
最初は、困惑していたが久しぶりの感覚に楽しんでいるようだ
楽しそうに笑う二人
孫兵は、一瞬微笑むとAの頰に手を伸ばした
『どうしたの?』
孫兵「僕の名前、わかりませんよね。」
『うん…申し訳ないけど…』
悲しそうに目を伏せるAの頰を孫兵が優しく撫でる
Aの耳元に口を寄せると、寂しそうに呟いた
孫兵「僕の名前は、思い出して欲しいから教えません。」
『えっ、それじゃ呼ぶ時大変…』
孫兵「僕はA先輩に早く記憶が戻って欲しいんですよ。」
そう言って、Aの腕を掴んだ孫兵は何処かへ連れて行った
向かったのは、木々が生い茂っている場所だ
虫網を片手で持ちながら、好奇心にあふれた目で辺りを見渡すA
ふと、孫兵が一つの木の前で立ち止まった
『ん?何かいたの?』
孫兵「この木は、初めて僕がカブト虫を取った木なんですよ。A先輩に手伝ってもらって…」
『私に?』
孫兵「届かなかった僕を持ち上げてくれたんです。もしかしたら、此処に来れば記憶が戻るんじゃないかと思って…」
Aに目を向けると、呆然とした表情で木を見つめていた
すると、大きな目からポロリと涙を流した
『昔、此処で…カブト虫を…』
孫兵「今、昔って…」
『私は、孫兵を抱き上げて…、孫兵…』
涙を流したAが、孫兵の名前を呼んで振り向いた
孫兵は、体を震わせると勢いよくAに抱きついた
『孫兵…孫兵!』
孫兵「思い出したんですね。」
『今日一日。不思議だった、覚えてない筈の記憶が頭に浮かんでくるの。皆んなの寂しそうな顔を見て、胸が痛くなったりして…』
ぎゅっと抱きしめるAを孫兵も強く抱き返す
『皆んなの事、絶対忘れたくない気持ちは消えてなかったんだ。』
孫兵「良かった…本当に…」
二人は笑顔で笑い合うと、忍術学園へと帰った
記憶が戻ったAが、みんなに抱きしめられるまで
後…
〜
467907さん、ありがとうございました!
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satochan0101(プロフ) - アクヤさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月11日 11時) (レス) id: 6c2642fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ - 頑張って下さい(*>v<*) (2019年8月11日 9時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
satochan0101(プロフ) - 桃華さん» 本日は、晩御飯を食べ終わってから更新します!沢山かはわかりませんが、出来るだけ多く更新出来るようにします! (2019年7月18日 20時) (レス) id: 6c2642fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - 今日は沢山更新なさるのですか? (2019年7月18日 19時) (レス) id: 5dc20f7650 (このIDを非表示/違反報告)
satochan0101(プロフ) - 桃華さん» お楽しみに!先程、続編に続きを更新しました! (2019年7月18日 18時) (レス) id: 6c2642fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:satochan0101 | 作成日時:2019年6月24日 17時