妖、故に輪廻転生 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:1,221 hit

第3話【天坏巽】ページ3

社の中、縁側で休憩をしていた僕は入り口に立つ新たな仲間に向かい軽く笑った。
僕は仲間が増えたことに大した喜びも悲しみも感じない…経験が多いからかな、なんせ1000歳は超えてるからねー。
だけどそうじゃないヤツも多い。
仲間が増えたと単純に嬉しく思うヤツ、
アイツらはまだこの檻に閉じ込める者を増やすのかと外に一般人に対し怒るヤツ…色々ね。
まぁこの社を檻だと思うヤツがある程度いるのは事実だよねー。
人間が自分たちと違う"得体の知れない何か"が
怖いから作った、檻…ライオン達が閉じ込められてるのと一緒、僕たちがライオンで、食われたくないヤツらは僕たちを檻にいれるんだ。
だけどここを檻だと言わないヤツもいる、
気づいてないヤツと逃げてるヤツと
理解したうえでここを気に入ってるヤツ。
そして僕は時折考える…

僕はここをどう思ってるのかなってね。

ここのことは嫌いじゃないし、
外の人間のこともそこまで憎んでない。
だけど、閉じ込められてるとは感じてる…
でも窮屈とまでは思ってない。
こんな僕はここをどう思ってるのか？

ちなみに今まで何度もこのことを考えたし
酷い時は1ヶ月間ひたすらこのことだけを
考えてたこともあるけど答えは未だに出てないんだけどね！

中途半端で嫌になるけどこれが僕だもん、
仕方ないよねー。

「あ、チューリップの絵だ…誰が描いたんだっけ？…まぁいいや、チューリップ咲かせよう！」

たまたま床に落ちていた絵を左手で拾い上げ、
右手を外に向ける。
少し力を込めると外に赤いチューリップが一本生えた…けど、この花をどうするわけでもないのでテキトーに廊下へ行ってブラブラすることにしよーっと。