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「叔父さんの行方は今でも分かってない。……だからこそ、私が叔父さんの意思を継ごう、って。周りに理解されなくっても、どんなことを言われても。私はいつか認めてもらえる歌手になろう、って。そんなわけだら、私は弾き語りをやめられないんだ」
彼女の笑顔。
「そうだ、この際だから叔父さんの残した曲、あんただけに披露してあげるよ。特別メドレーでね」
「あ、嗚呼」
彼女は気づいているだろうか。
頬を滴が伝って、その顔が泣き笑いになっていることなど。

「じゃあ、行ってくるね!」
次の日の日曜日。彼女はギターを持って玄関に立っていた。
「今日は、活動日じゃなかっただろ?」
「いいのいいの。昨日の話したら、もっと頑張らなくっちゃって思って」
「そっか、頑張れよ。応援する」
「ありがとう!」
溌剌とした笑顔の彼女は、僕に手を振ると、玄関の扉を開け放ち走り去っていった。

散らばった楽譜に、落ちたギター。
書き損じの楽譜を机の上に、あの日から君は姿を消した。
何処に行ってしまったのかは分からない。
聞こえてくるメロディ、思い出される高い声。
最後に君が奏でた音楽はどんなものだったのだろう。

嗚呼、サイレンの音が五月蠅い。

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「Six☆pine」黒兎(プロフ) - かたつむりんさん» ひゃああぁぁ、そう言ってもらえて光栄ですっ。賞は取ったことないですね、はい←小学生のころ、絵本的なものを書いたり、中学生のころに何作か小説を書いたことはありましたね。凄くいい、って言ってもらえて勇気が出ました、ありがとうございます!! (2017年6月18日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
かたつむりん(プロフ) - えっ…ちょっ、めっちゃ心打たれる作品ですね…!す、凄いです。これは、マジで、小説化されてもいいと思います。もしかして、プロ…もしくは何らかの賞を取ったことがありますか?この小説、凄くいいと思います。別に私は編集者の回し者じゃない普通の学生ですけど。 (2017年6月18日 21時) (レス) id: c75313775c (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 「Six☆pine」黒兎さん» わかりました!行ってきます! (2017年6月18日 20時) (レス) id: 674085e382 (このIDを非表示/違反報告)
「Six☆pine」黒兎(プロフ) - はるさん» http://uranai.nosv.org/u.php/hp/satisfy32/→こちらです。私のアカ名前をローマ字で入れてくだされば入れます。分からない場合は「黒兎より」の一番下に読み方を書いてるので (2017年6月18日 19時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 「Six☆pine」黒兎さん» はい!待たせていただきます! (2017年6月18日 19時) (レス) id: 674085e382 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒兎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/raimu2/  
作成日時:2017年6月18日 15時

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