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やっと会えた*北山Side ページ50

仕事を終え、少しだけAちゃんを探してから家に帰る。
捜索届けを出したことで、Aちゃんのことはニュースにも取り上げられている。


何の手がかりもつかめず、不安ばかり募る毎日。
家についてもAちゃんのことばかり考えてしまう。

今日もきっと同じ。
家に帰って、Aちゃんのことを考えながらもやもやして過ごす。
そう思ってた。


でもそうならなかった。

マンションのエレベーターを降りると俺の部屋の前に人影が見えた。
その人影がAちゃんだってことの気付くのに、時間はかからなかった。
服装も男物を着ていたし、長かった綺麗な髪も短くなっていたから見た目は最後に会ったあの日と比べると随分変わっていた。
それでもすぐにAちゃんだとわかった。



「たすけてください…北山さん…」


そう言ったAちゃんの声は今にも消えてしまいそうなほどか弱かった。


よく見ると傷だらけの足、口元も切れている。
そっと触れるとAちゃんの目から涙がこぼれた。
俺はとにかく部屋に入らないと、と思いカギを開けて促した。
玄関で部屋に入ることをためらうような様子を見せるAちゃん、靴を履いていなかったことを思い出して、きっとそれを気にしているんだと思い、スリッパを出してあげる。

遠慮がちにそのスリッパを履いてくれたのを確認して、リビングまで進み、ソファーに座るように促して自分もその隣に座った。

流れ続けている涙をそっと拭い、抱きしめる。
Aちゃんは何かに怯えているかのように俺にしがみつき、枯れてしまうんじゃないかと心配になるほど涙を流した。

大丈夫だよ、なんてそんなことしか言えず、気の利いたことの言えない自分が情けなく思えた。

少し落ち着いてきたのがわかり、抱きしめていた力を緩めてAちゃんを見る。
Aちゃんもそんな俺に気付いてこっちを向いてくれた。

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設定タグ:キスマイ , 北山宏光 , 幸君   
作品ジャンル:恋愛
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ナナ - ヒロインさんが逃げて助けられたのが本当に良かったです。 (2019年4月18日 12時) (レス) id: 2f50dbd382 (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - ありがとうございます!!楽しみにしています!!!! (2019年4月17日 7時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - 4It5gさん» ありがとうございます。少しですがアップしました。明日も更新する予定ですので楽しみにしていてくださると嬉しいです。 (2019年4月17日 0時) (レス) id: 61b50e5ecf (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - 続きが早く読みたいですー!!!!いつもわくわくしながら読んでます。 (2019年4月12日 18時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます!励みになります!展開はある程度決めているので楽しみにしていてくださいね!!出来るだけ早く物語を進めるように努めます。 (2019年4月3日 16時) (レス) id: 9e2e057872 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊李 | 作成日時:2019年2月1日 1時

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