恋愛が解らない人が恋愛出来るわけない (ページ3)

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「A、三送会の出し物に出てたの。びっくりした」
「別に言わなくていいかなーって」

　在校生が自由に出し物を発表出来る三送会の前半終わり、休憩中に前に座っていた悠斗が話しかけてきた。以外な一面を目の当たりにしたみたいだ。一つだけ踊っただけなのだが、大分驚かれた。褒められたので、満更でもないけど。
　恋人は作れないが、男友達がいないとは言っていない。悠斗とは話す機会は少ないものの、話が合う者同士。

「すごーい！！」
「え、Aかっこよかった。惚れそう」
「だから君は惚れてる相手いるでしょ」
「おっと」

　一連の流れと化してきた会話を後目に、疲れてきた目を休める。早く終わらないかなーとか思いながらぼーっとしていたら、三送会が終わりかけていた。やったぜ。

「ねーA、本当に好きな人いないの？」
「いないよ」

　帰りのSHRが終わって皆が帰るムードの中、あかねが話しかける。

「悠斗は？」
「話が合う友達…？友達っていったらなんか微妙」
「ぷ、ふふ、しつれーな事言っちゃって！本当は好き何じゃないの！」

　リュックを背負った私をつつき始める。こういう質問が、一番苦手。

「違うって」
「えー？…ふむ、私が告白出来たら真実を語ってもらうからね！」
「うん、騙らせてもらいます(笑)」
「うむ！……ん？」

　彼女が私の言葉を理解する前にその場を立ち去る。完全に言葉遊びの域だが、彼女は気づいただろうか。
　自分でもわかる悪い笑みを浮かべながら、帰路に着いた。