後輩が俺に惚れない【五条悟】

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赤信号で車がとまったタイミングで

シートベルトを外して真ん中の席に移動し
またシートベルトをしめる


その俺の奇行に補助監督は明らかに戸惑った顔をした




俺はそれに気づかないフリをして
一年に手を伸ばす





『ｸｰ、んん…ぬ、』





俺の手はそいつの頭の後ろを通って

まだガンガンと窓に当たっている
その部分を優しく包み込んだ



痛々しい音が響かなくなる



そしてそのまま俺の方に引き寄せ

肩にもたれかからせた




そいつの頭を心配していたのだろう、


運転席の補助監督はﾎｯとした顔をして

後輩の世話をする俺に勝手にほっこりした






____なぁ、一年


お前、ちゃんとわかってるか



俺がどういう人間なのか





俺の行動の真意は

お前の頭を守ることじゃねえ


(ガンガンうるせえから助けてはやるけど)




俺のほんとの目的は____





補助監督「……！」





補助監督を牽制すること。




ミラー越しに

みせつけるように


一年の頭を引き寄せ

冷たく睨む




俺と目があった途端

補助監督は真っ青な顔をして目をそらした



心当たりがなきゃそんな顔はしない





『ｸｰ、んぐっふ、ふふ
うさちゃんりんご…』



五条「(…………アホがいる…)」





俺が補助監督に何をしたかも知らないで


俺の腕にすり寄って
気持ち良さそうに眠るそいつ


俺がみるなかで過去最高のアホ面だった





五条「(俺はこうやって

お前がみてないとこで
お前が怒りそうなことやるヤツだよ)」






変わらずアホ面を続けるそいつの頭に顔を寄せ、髪にそっとキスをする



眠ったままだけど

そいつは擽ったそうに身をよじった







五条「(………補助監督にも

七海にも、誰にも邪魔させねえ)」









こいつは俺のだ

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