後輩が俺に惚れない【五条悟】

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そもそも大前提として


この呪術界という世界で

補助監督というのはなかなか生き辛い役職だ



呪いは見えるが
呪いと戦う強さや技術をもっていない者が大半で

呪術師になるには足りないという理由で
補助監督になった者も多い




戦闘禁止

ゆえにさほど命をかけることがない


だが事務内容に
呪術師を現場に連れていくという項目がある

つまり戦う者を死地に連れていく役割




"戦わないが戦わせにいく"


言ってしまえばそれが補助監督がやってることだ




それに腹を立ててんのかなんなのか知らねえけど

補助監督に無意味に強く当たる呪術師もいる




補助監督に事務的に接するやつは五万といても

優しく接するやつなんて稀だった





加えてこいつは根明(らしい)ときた


この薄暗い世界では珍しい性格だ




明るく、屈託なく笑うこいつを前にして


さっきの補助監督は

明らかに頬を赤く染めていた





五条「…あのさ

優しくすんなとは言わねえけど

あんま誰にでもニコニコすんなよ」



『……なんでですか』



五条「勘違いするやつが出てくんだろ」



『！』





瞬間


そいつが纏う空気が変わった気がした





『…"勘違い"って…どういうことですか

あなたも補助監督の方々が呪術師より下だと考える人なんですか』



五条「…は？」



『補助監督の皆さんは私たちに必要だから存在しているんです

命をかける方が偉いなんて誰が言ったんですか』





そいつの方をみると

明らかに怒った顔をしていた


怒る、なんて易しい言葉で言っていいもんかわかんねえくらい

そいつから感じる覇気に全身がビリビリ震えた





『彼らも私たちと同じ人間なんですよ
やることが違ってもこの世界に必要なのは変わらない

呪術師より存在価値が劣るなんてありえない

彼らだって尊重されるべき人たちです


それを貴方は____』



五条「あ？おいおい、ちょっとまて！

なに勘違いしてんのかしらねえけど
俺はお前を心配して____」




《ｷﾞｨｨｨｲｲｲｲ!!!》




「『！！』」





突然後ろから何かが襲ってくる気配がした

見なくてもわかる、呪霊だ



ふり返ると同時に祓って

息をついたのも束の間




数体の呪霊が

いっきに俺たちに襲いかかってきた





五条「っ！おい、話は後だ！！
とりあえず祓うぞ！！」



『はい！』

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