後輩が俺に惚れない【五条悟】

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五条「…！、うまい…」



『！』




フツーにうまい


いや"フツー"ってのは
"普通"って意味じゃなくて


硝子と傑が驚くのも当たり前ってくらいうまい



知らなかった

こいつ料理うまかったのか





『…そう、ですか…よかったです

五条先輩のお口に合って』



五条「！」





安心したような、嬉しそうな顔が
やっとこっちを向く


他の奴らにみせるような
花が咲いたような笑顔じゃないけど

確かにその顔は俺に向けられたものだった





五条「(…？
なんか…心臓に何か刺さったか？)」



『りんごマドレーヌ初めてつくったんですけどこれアリですね』



夏油「え、これ初めてつくったの？」



『はい、一応…』



灰原「味見せずに出してくるのなかなかチャレンジャーだね！！！」



『う"っ!!何か…すみません…』



灰原「？、別にせめてないよ！！」





そいつが申し訳なさそうに

俺と同じタイミングで
もう一口マドレーヌを頬張る





五条「ん、」





そのとき

そいつの右頬に
マドレーヌの欠片がついたのが見えた





五条「……！！！」





これは…チャンス！！！！！！！



つい三日前くらいにみた！！！


頬についてるクリームかなんか
指で取ってそのまま食うやつ！！！



ヒロインがめっちゃ顔赤くしてたような気がする！！！！



これはいける！！！今回こそいける！！！！




ありがとうカミサマ！！！





五条「おい、」



『？』



五条「ついてる」



「「『！！』」」





…ﾌｯ、やってやった！！！



灰原も「ｷｬｰｯ」とか言ってるし

絶対ドキドキしたに決まってる！！



ん、てかうま

欠片だけでもうま



さて反応は…





『うわー…びっくりした

私の顔についたのなんか食べない方がいいですよ

先輩の消化管が汚れます』



五条「………」





あ"？？？？？？




おい、さっきの緩んだ顔どこいったんだよ



何だよその『何してんのお前』みたいな顔




しかもこのタイミングで消化管とか言うんじゃねえよ





五条「…………お前…まじ色気の欠片もねぇな」



『？？、高一の私に色気を求めないでください』




五条「……」





まあ

うさちゃんリンゴ大好き♡

って言ってるやつに色気はねえか…





五条「(つーかこれでも動揺しねえってまじ何なんだよこいつ)」





いい加減赤面しやがれ


てかそこの三年ふたり

笑うな

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