問題児2人と保護者1人。ただし最強。

参拾話 ページ39

　
　
　
…おかしいな


冥さんと庵さんが帰ってこない


『ねぇ、庵さんから連絡とか来た？』

「誰それ」

『……冥さんから連絡来てる？』

「いや来てないね。それに悟、歌姫先輩のことだよ」

「あ〜、歌姫ね。忘れてた」

「クズが。死んどけ」

「硝子なんで歌姫のことになるとそんな口悪いんだよ」

『悟くんが悪いと思う……心配だね』


一級術師の冥さんがついていて2日もかかっている


しかも音沙汰なし


大丈夫だとは思うけど…


ｶﾞﾗﾗｯ)

「お前たちに今から任務の援護に行ってもらう」

「「「『！！』」」」

「冥さんたちの、ですか」

「あぁそうだ」


やっぱり何かあったのだろうか


結界に閉じ込められた…？


「冥さんがやってたのどんな任務だっけ」

「はぁ……夜蛾先生が話してただろ。突如出現した結界の調査だよ」

『心配だねぇ』

「歌姫先輩大丈夫かな」


悟くんの相手は傑くんに任せて硝子と話をする


『庵さんも強いから大丈夫だと思うよ。冥さんもついてるし』

「国重、歌姫先輩と付き合う気ない？」

『えっ』

「はぁ⁉」

「どうしてそうなる…」


いや、傑くん頭を抱えたいのは僕のほうだよ


本当になんでそうなったんだ？


「おい硝子どういうつもりだ」

「歌姫先輩には全肯定してくれる人間が必要だと思うんだよね。どっかのクズのせいでストレス地獄だし」


そう言って湿度の高い視線を悟くんに向ける


それに対して、悟くんはまったく悪びれる様子もなく言った


「俺何も間違ったこと言ってねぇじゃん。歌姫は弱いだろ」

「悟、思っても口にしちゃいけないよ」

『傑くんのほうがひどいこと言ってる気が…』

「あ゛」

「最低だな」


…最強2人のクズ認定は変わらなそうだね


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

なんというか……凄い洋館だな


「立派な屋敷だね」

「そうでもないだろ」

「悟の見方で言うな」


…君の基準はおかしいの


御三家の視点から言ったらそりゃ小さいよね


「つかAの家だってデカいんじゃねぇの」

『え、どうなのかな……呪具を作るところは広いけど…』

「悟、普通はこうやって謙遜するんだよ」

『別に謙遜じゃないって』


無駄口を叩きながら屋敷の前まで来るも、僕たちはそこからどうすべきか頭を悩ませていた


中に入れば結界内に捕えられて終わりだろう


「俺が壊すわ」


　

　
『…え？』

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