弐拾仇話 ページ38
__季節は夏
蝉の声が少しうるさくなってきた頃
『あれ…冥さん?』
「やあ、国重くん。元気にしていたかい?」
『はい。冥さんは…何か心配事でも?』
「!……いや、心配なわけじゃないんだけれど。明日からの任務のことを考えていたんだ」
聞くところによると、冥さんと庵さんで出向く任務があるらしい
なんでも特殊な結界を張った呪霊が出たとか
「どんな結界かはまだ分かっていない。どのくらいかかるやら」
『冥さんと庵さんならきっとすぐですよ』
「……君は本当に五条君たちと似てないね」
『そうですか?』
皆そう言うけど、それはどういう意味だろうか
聞いたほうが早いか
『あの、それってどういう意味なんでしょうか』
「ん?歌姫君のことを貶さないだろう、君は」
『それは当たり前のことでは…?』
「フフフ、ほらそういうところだよ」
……あぁ
悟くんたちは庵さんによくつっかかってるってことですか
たちっていうか悟くんが
でもあれは好きな子ほどいじめたくなる的な…………
違うか←
悟くんは本気で馬鹿にしてる
うん←
「じゃあ私はそろそろ行くよ」
『あ、はい。…あの、冥さん』
「ん?」
『が、頑張って、ください、ね』
「……随分熱烈な応援だねぇ。すぐ帰ってくるよ。君のためならね」
『なっ』
そういう意味で言ったんじゃないんですけど……!
冥さんに頑張ってなんて言わなくてもって思っただけなのに…
「冥さん、あんまりAをいじめないでください」
「これは失礼したね。じゃあ」
振り向きざまにヒラヒラと手を振って冥さんは行ってしまった
『…ごめん傑くん』
「Aはもうちょっと自覚を持ったほうがいいね。あと、私が欲しいのはそんな言葉じゃないなぁ」
なんの自覚だ……?
まぁいいや、取り敢えず
『ありがとう』
「はい、どういたしまして」
よく言えました、って親が子供にするように頭を撫でる
僕は自然とそれを受け入れていた
「Aは嫌がらないんだね」
『ん、だって安心するし。傑くんの手あったかくて好き』
「ん゛っ」
いつの日かの悟くんのような声を出して口元を覆う傑くん
『…大丈夫?』
「うん……なんともない」
『そう…?』←この男、天然なのではなく自己肯定感が低すぎるだけである
「そろそろ授業が始まる。行こうか」
『うん』
学生の本分は勉強だからね
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乃愛(プロフ) - 薬研藤四郎!刀剣乱舞!まじで嬉しいです!男主の愛されってあんまりないので嬉しいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月17日 11時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - えっと!絵を書かせていただいて、Twitterで、出しました。黒弧って調べて見てください。 (2022年10月2日 9時) (レス) @page1 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
豆乳様。(プロフ) - 間違えて、コメント消してしまったので再コメントです…。あの…、奇跡的に苗字に国が付いてるとことか誕生日が同じとか私と共通点多すぎてビックリしました!!なんか、テンション上がりますよね(え?)www最強コンビ好きなので、この作品神作です!! (2022年1月8日 22時) (レス) id: 0c1825ef28 (このIDを非表示/違反報告)
Dオタの極み - トウモロコシさん» コメントありがとうございます!やっぱり薬研藤四郎って人気な刀なんですね… (2021年7月14日 8時) (レス) id: acb1846eac (このIDを非表示/違反報告)
トウモロコシ(プロフ) - あ……もう刀に薬研藤四郎がいる時点で神作品だと悟った (2021年7月14日 2時) (レス) id: 59f131ffc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dオタの極み | 作成日時:2021年5月11日 23時