問題児2人と保護者1人。ただし最強。

私の感情 ページ4

　
　
　
家入side



高校に入ってできた同級生は全員男


バカでかいクズ2人と明らかな陰キャ1人


一言交わしただけで「あ、コイツらクズだ」と思ったわけだが、国重は違った


つっかえながらもちゃんと挨拶してくれたし、多分目は合ってる


意外にも人に流されず意見言えるから好感が持てた


あと呼び方


クズたちはすぐに硝子って呼んできたけど、国重はずっと『家入さん』って言ってくる


五条と夏油のことも名字で呼んでるから、それがデフォなんだろ


術式無しの戦闘訓練で五条と互角だったことも印象に残った


五条と違って実力をひけらかさないその姿勢が気に入った


…いや、それが普通なのか


でも何故か怪我をしたときに頼ってこないのが気になった


五条は「減るもんじゃねぇしやってよ」っていうスタンスだし


夏油も申し訳無さそうにこそするが、やってくれるよね？と言わんばかりの顔をしている


改めて考えるとマジでクズだな


まぁ話を戻すと、国重はクズ共と真逆で怪我を隠そうとする


血が出ているようなときは特に


そういう怪我こそ治してやりたいのに


止血も自分でしているからいい、と傷口を見せてくれすらしない


さすがに5回目くらいで諦めた


そっから普通に話すし仲良くしてるけど、無駄に干渉はしないようにした


でもあのときだけは、物申したくなった


『ただい、ま』

「……おい。どうしたんだ？その髪」

『えっと、呪霊に切られちゃって』

「…五条と夏油は」

『夜蛾先生に、報告を』

「怪我は？怪我じゃなくてもいい。体に不調は？」

『ないよ……あ、でも』

「！なに？」

『髪、さ。切ってくれないかな』

「私が？」

『悟くんが切ってくれるって、言ってたけど……悟くんより家入さんのほうが安心だから』

「…わかった。切ってあげる。そのかわり」

『？』

「…硝子」

『へ？』

「硝子って呼んで。どうせ帰る途中でクズ共にせがまれたんだろ。私は呼び捨て希望だから」

『よ、呼び捨て⁉ハードル高ぁ…』

「ほら、切ってやんないよ？」

『うっ…お願いします、し、硝子』

「オッケー。任せときな」


私が初めて


そんな特権に心が弾んだ


　

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