嫌われ者なあの子に仕方ないから姫の座、譲りました。 (ページ25)

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21話ページ25

Ru side

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「姫の座を降りる。」

そんな言葉を聞いた時、一目散に僕は

焦っていたと思う。

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彼女は、綺麗で可愛い。

可愛い組の僕が認める程の可愛さと

性格の良さを持っている。

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「ばいばい。」

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悔しそうに、悲しそうに…

辛そうに言葉をはくAに僕は

察したんだ。

鈍感だと思ってたでしょ？

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気付かれてないと思ってたでしょ？

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僕らの絆を見くびるな。

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「…僕は、Aを守りたいです。」

いつしかのすとぷり会議。

最初は「自分が嫌い」と発していた僕も

この日は、この日だけ自分が好きだった。

大勢のメイドや執事を交えて開かれた
すとぷり会議は、姫である真奈ちゃんもAもなしの僕らだけの会議だった。

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「…は？何言ってんの？」

『有り得ない』という目で僕を見てくるのは、机に肘を立てて聞いていたさとみ君だった。

「そのままの意味です。」

「Aを守るって何から…？」

「貴方達から…ですかね。」

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済ましたように言えば、隣にいた

莉犬が涙を流したながら僕を見た。

「…るぅと君は、Aのどこまで
見えているの…？？」

頭がついていけてないのか、

置いてかれるのがこわいのか、

否、その両者か。

莉犬は不安そうに僕の服の袖をぎゅっと

握っては、俯いている。

「…全部、かな。」

そんな彼にお構い無しに僕は上を見る。

今頃、何をしてるのかなAは。

そんなだらしのない考えが僕の頭の中に

ふと過ぎった。

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