18話 ページ21
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いつもは静かなホールが今日は
色んな人達が集まっているためか
ざわざわとしている。
綺麗なヘアーセットに豪華なドレスアップをした女性や、真っ白なキッチリとしたスーツを身につける男性など、素敵な方が沢山いる。
「真奈、ここに立つのよ。」
こそこそとリハーサルをする私たちは
経験者である私が仕切っていた。
「うるっさいなぁ、分かってるから。」
「間違えても知らないわよ」
「はいはい、間違えませんよー」
「うざいわ〜」なんて、私にしっしと手を払う真奈ちゃんに苦笑いをする。
大丈夫かなぁ、この子。本当に
まぁ、もう私はどうでも良いわけだし??
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「っぐふ、緊張してきた。」
奥から聞こえたのは莉犬くんの声。
私は気まづくて慌てて外へ出る。
中庭に繋がる橋を渡り、私は中庭へ行く。
「こんなお花あったんだ。」
そこには綺麗に咲くアザレアの花たち。
桃色に可愛く咲誇っていて
頬が緩む。
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「…うわ、居たんだ。」
そんな声が、中庭に響いた。
明らかに嫌悪するような声のトーンに
私は振り返る。
そこには、アザレアと同じイメージカラーを持つさとみ君の姿が。
髪の毛のセットはいつもより遥かに
カッコよくなっていて。白いスーツに桃色のネクタイがマッチしていて、スタイルもよく『そりゃあモテるわな』という容装だった。
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「パーティーはどうしたの。」
私が目を逸らしながら言えば
「抜け出してきた。」
と彼らしい言葉。
「香水くっさいケバいおばさん達と
一緒にいても楽しくねーよ。」
ガリガリと頭の後ろをかくさとみ君に
呆れた顔をする。
「よくそんなこと言えるね。」
「あ?」
「いーえ、なんでもありません」
「ほら、行ってきてください。さとみ様」と、普段絶対に言わない様な声にさとみ君は動揺したのか、それでもこちらには振り返らず、ホールへ続く道へ戻っていった。
1人になった中庭は、少し肌寒くて。
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植物特有の鼻がむずむずせる匂いに
私も耐えられなくなり、ホールへ戻った。
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ましかに - 待ってます (2022年6月18日 16時) (レス) @page27 id: b45f3d1284 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 更新待ってます (2020年5月29日 0時) (レス) id: f65192fa99 (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 続き気になります!お話とても好きです! (2020年5月20日 0時) (レス) id: d775cce176 (このIDを非表示/違反報告)
らん@歌い手色の占ツク民達(プロフ) - 続き気になります!!!面白すぎて腹筋割れます(?) (2020年2月10日 18時) (レス) id: d574829136 (このIDを非表示/違反報告)
鮭(プロフ) - 未来さん» わああ、ありがとうございます◎これからも応援して頂けるよう、精一杯頑張らせて頂きます! (2020年1月27日 7時) (レス) id: 8bdf184cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鮭 | 作成日時:2020年1月15日 6時