嫌われ者なあの子に仕方ないから姫の座、譲りました。 (ページ16)

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13話ページ16

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「いい加減にしてよっ」

無言で私の腕を引っ張っていたころん君の
腕を振り落とす。ドサッと音が漏れて
ころん君の腕が落ちる。

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「Aはさ、どうしたい？」

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優しく私に問いかけるころん君。

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そういうところが、嫌なんだ。

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「もうころん君にも、真奈ちゃんにも…
すとぷりにも会いたくない！！！」

気が付けば、ポロポロと涙が溢れていた。

最初はちっちゃな出来心と「面倒臭い」という、疲労感から適当に帝降した。

けれど、次第に私がやった行動の重みが
伝わってきて辛くなっていた。

自分でやったくせに。

周りに八つ当たりばっかして

頼ることもせずに。

心配してくれてる大切な人達が居るのに

それを見て見ぬふりして。

「…そっか。」

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私の言葉に、責めることも問うこともせず

優しく笑いかけるころん君。

＿＿ほら、もう終わり。

私とすとぷりの縁が完全に切れる音がした。

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と、思っていたのに。

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ペタッという切れた糸がテープで貼れるような音が聞こえた。

「…僕は好きだよ、Aのこと。」

「…へ？」

突然の告白に、頭が真っ白になった。

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今まで、北の国から…南の国から。

いろんな人からプロポーズをされてきた。

けれど、どの言葉も嘘っぽっち。

私がきっと「貧乏人だった」と言えば離れるような理由の人ばかりだった。

いつしか、ころん君が言ってくれた言葉。

「僕でもヒーローになれるから。
だから、一歩踏み出してみよう」

私の手を強く握り、泣きそうな顔で
アドバイスをしてくれた顔と今目の前にいるころん君の顔が重なる。

「…ねぇ。」

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「私は、もう貴方の運命の人では無いの。」

「何言って…」

「だから気にかけなくても良いよ。」

「早く真奈ちゃんの所へ…」そう言いかけた私の言葉は、ころん君の口によって遮られた。

「口を開けば『真奈ちゃん』『真奈ちゃん』露骨すぎ。気付いてないとでも思ってたの？」

その言葉に、私はまた頭が白くなる。

「なん…で…」

「だから言ってんじゃん。Aが好きだから」

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「よく見てるんだよ。」

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