【名探偵コナン】…秘密…8【降谷零】

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(これ…何だろ…)


Aの手には
真っ白な封筒が握られていた


切手もないし、差出人の名前もない

側から見れば
如何にも怪しい手紙なのだが…



(何だっけ…この香り…)



封筒からフワリと香る甘い匂いが
懐かしさを感じさせている


Aは家に帰宅すると
すぐにその封筒を開いた





(えっ…⁈ )



そこには英語で

気をつけて！ とだけ書いてあったのだ



『気をつけて…って、何に？』



気をつけなければいけないことは
普段の生活の中には沢山あるが
そんなことではないことはわかる



『イタズラかなぁ…』




ゴロンとソファーに寝転び
便箋を上に翳す



(ん？何これ…)




先ほどの文章の下に小さく
然も薄っすらと文字が見える



『ジュニパーベリー…』



口に出してみるものの
馴染みがある言葉では無い




(ベリーって言うからには果実かな…)




直ぐさまスマホを片手に
Aはその意味を調べた




『っ…！！』





画面に表示された内容に
Aは絶句した





セイヨウネズ……英語でジュニパーベリー
酒のジンの元として有名…




その名前を目にするだけで
Aはブルリと身が震えた



『だ…誰がこの手紙を…？』




ジンとのことを知る人は数える程で
こんなことをしなくても
Aに注意を促すことの出来る人たちだ


わざわざ手の込んだことをしてまで
自分に注意するよう知らせる人物に
Aは全く心当たりがなかった




(あとで、零さんに見せよう…)





手紙をテーブルの上に置くと



♫…♫…♫……




(コナン君…)



Aは急いで電話に出た



『もしもし…、コナン君どうしたの？』


「A姉ちゃん
近々何か大きな予定とか入ってる？」


『いや…、今のところは
なかったと思うけど…、どうしたの？』


「それなら大丈夫！ありがとう！」



そう言って電話を切られそうだったので
急いでコナンを引き止める



『コナン君、待って！
聞いてほしいことがあるんだけど…』


「えっ？ A姉ちゃん何かあったの？」


若干焦りを含んだ声が聞こえてくる


『ちょっと、変な手紙を貰って
零さんに相談しようと思ってるんだけど

切手も差出人の名前も無いから
気になってるんだけど…』



「中身は確認したの⁈ 」



『それが…、どうやらジンさんに
気をつけてって内容みたい…』



それだけ伝えると



「今からそっちに行くね！」



と一方的に電話は切れたのだった

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