【名探偵コナン】…秘密…5【降谷零】

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父の秘密を知ってしまい
Aは何とも言えない気持ちで
いっぱいだった


膨大な量の日記を読み漁ったため
いつの間にか夕方になろうとしている


(お昼ご飯食べてない…)


先程まで忘れていた空腹感を
今になって感じ始める


(兎に角、帰らないと…)


出したものを全て片付け
家から出る


だが…どうしても
父と母、そしてシャロンのことが
頭から離れない


(３人とも大好きなのに…
みんなこんなに悲しい恋をしてたんだ…)


そう思うと胸が苦しくて、切なくて
自然と涙が溢れそうになる



『安室さん…、何でだろ
今、すごく安室さんに会いたい…！』



門のところまで来て
愛しい人の名前を呟くと
ボロボロと涙が溢れてくる


『…っ、』



自分が泣いても
どうにもならない事だとわかっているのに
どうしても涙が止まらない



きっと父は今でもシャロンを
愛しているんだと思った

今でも自分が萩原を忘れられないように
父も何処かで彼女を想い続けているのだと

そして母はそんな父を愛しているのだと



Aは暫く泣いていたが
やがて涙が収まると
何か思い立ったように携帯を取り出し
電話をかけた









ベルモットはまだ夕方だというのに
ホテルの部屋でワインを飲んでいた


さっきアジトでウォッカから
気になる話を聞いたからだ


最近ジンが兎を飼いたいと言ったり
いちご大福が好物になったり
今日は女の友達がいた…と
そんな内容だった


ウォッカはジンが女子化してるのではと
心配していたが…



(おそらく…兎は女のこと…)


ベルモットはアルコールを
程よく含んだ頭で考える


つまりジンのお気に入りが
見つかったってことだ


そして、今日会ったという
その女がジンの兎に違いない


気がかりなのは
いちご大福…

昔から秀樹は和菓子を好んで食べていた
それもいちご大福は特に好きだった
だからよく恵が手作りしていたのだ


辿り着きたくない考えが
何度も何度も頭の中で巡る


(兎はAなの…⁈)



もともとジンの好みに
ドンピシャなのだ

もし2人が何処かで出会っていたら
Aがジンにいちご大福を
渡していてもおかしくない



(まだ…まだ決定した訳じゃない！)




以前に見た夢が現実になるのではないか
そう思うと気が気じゃない



(大丈夫…何とかなるわ…)



そう祈るように
グラスに注いだ赤ワインを
一気に飲み干した

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