【名探偵コナン】…秘密…5【降谷零】

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Aは夢中で日記を捲る


◯月◯日

結婚が決まった
僕はまだ彼女を忘れていないと言うのに
それでもいいと言われた

君は僕には勿体ない素敵な人だ
それなら僕もそれに応えよう


(えっ…じゃあパパは前の人のことを
想ったまま結婚したの⁈

それにしても…彼女って誰？)


どんどん心の中がモヤモヤしてしまう



◯月◯日

式が終わった
彼女も来ていたが
目を合わせると笑顔でいられない気がして
必死に耐えた

いつか君の花嫁姿を見るときに
僕は笑っていられるだろうか



◯月◯日

娘が生まれた
恵はよく頑張ってくれた
祝いに彼女が駆けつけてくれた
顔を合わせるのは結婚式以来だ



(えっ…ちょっと待って、
私その人に会ってるの…？)


それらしい女優を思い浮かべるが
親しくしている女優は
職業柄多いのでわからない



◯月◯日

Aが彼女に懐いている
恵も相変わらず彼女と仲良しだ



どんどん自分の手に力が入るのがわかる



◯月◯日

物語を書き始めた
これは僕の自己満足のつもりだったが

これを読んだ人が
映画関係者でとても気に入ってくれた
トントン拍子で映画を2人で
作ることになった



◯月◯日

出演依頼を彼女にしに行った
2人で会うのは久しぶりだ
何とかOKを貰った
本当に良かった

そもそも彼女じゃないと
この映画は意味がないのだから


◯月◯日

撮影が始まった
これからほぼ毎日顔を合わせることになる


◯月◯日

彼女がこの世界からいなくなった
信じられない



最後のページにはそう乱雑に
書かれていた

それ以降は何も記されていなかった


『…シャロン……、』


読み進めながら何となく
そんな気はしていたのだが…


(パパとシャロンが
そんな関係だったなんて…

それにママはそれを知っていて
それでもいいからと結婚したの…⁈)


色んな思いが頭の中でぐるぐると回る


日記をとりあえず元に戻そうと
引き出しの中を見ると
一番端っこに分厚く薄汚れたノートを
発見した


(何だろ…)


これだけ色んなことを知ってしまったのだ
今更何を見ても驚かない…


(秘密の原作…！)


それは間違いなく父が撮った映画の原作…

しかも原作の主人公の名前は
恵と…シャロンだったのだ
映画では違う名前にしたのは父の希望だろう


(身分違いの恋と国境を越えての恋…か)

Aは深い深呼吸をして天を仰いだ

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