いいんですか？ ページ14
「コスは完成したんだろ？一緒に行けばよかったのに。」
「雨嫌いなんで」
ここは相澤先生の病室。A組のみんなは緑谷を捕獲しに行った。合理的な先生はすぐに聞いてきた。
「なんでここに来た」
「風呂沸くの待つついでに」
「本当は？」
サスガせんせー。テキトーな返事で誤魔化してるのがすぐバレる。俺は本当のことを言えない。言えないところまで来てしまった。ウソを織り交ぜててもお悩み相談ってできるんだろうか。
「そう不安な顔するな。俺はお前の担任だ。」
「じゃあ……俺はここにいても良いのかなって。俺なんかがあの子からピアスを受け取っても良いのかなって。」
A組のみんなが好きだ。でも俺の気持ちは死柄木さんにある。それは優しいみんなを裏切ることになるんだって心のずっと奥底で分かってる。クソ人間の俺でも知ってることだ。
「正直、俺の母親はクソでした。これは反抗期とかじゃなくてホントに、最低な人でした。俺の治らない傷の半分以上は母親がつけたくらい。」
「だからあの人に感謝してるんです。あの人は罪のない人間殺しまくってるけど、罪ある人も殺してるんです。でもそう思ってる俺もみんなにとってはクソなんだろうなって。」
優柔不断で最低の俺が悩んで良いことじゃないって分かってる。でも、みんな優しすぎた。その優しさを突っぱねる勇気も俺には無かった。もうさっさと殺してくれ。
先生は俺の苦悩なんて小学生の計算ドリルくらい簡単だとでも言うように即答した。大人はそんなに賢いのかよ。けっ(最低)
「じゃあ、あの時エリちゃんにおまじないしてあげたお前は嘘なのか？連合に捕まってる中で1人の女の子を救ったお前は。」
先生の中ではそういう見方なんだ。
あの時のあれは別に嘘じゃない。あの子が小さい時の俺に似てたから。愛されなかったあの時の俺に似てたから。泣きたくても泣けなかった自分に重ねてしまったから。だから手を伸ばした。
「ウソじゃない。俺はウソつかない人間だ」
「それはウソだろ。でもそういうことだ。少なくともお前はエリちゃんのヒーローで、アイツらのクラスメイトだ。感謝していようが憎んでようが、死柄木を倒す気はあるんだろ。」
俺的にはAFOだけど、まあ一緒か。
「…風呂当番だからそろそろ行くわ。ピアス持ってくね」
「あぁ」
結局言えないことだらけだけど。
「あと……ありがと」
さっさと病室を後にした。
「……素直になれば可愛いところもあるんだけどな」
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鞘駄(プロフ) - えとちゃんさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。頑張ります！！ (9月9日 19時) (
レス) id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
えとちゃん(プロフ) - めちゃ好きです…‼︎‼︎更新楽しみにしています！ (9月9日 19時) (レス) @page21 id: e4851da3c5 (このIDを非表示/違反報告)
鞘駄(プロフ) - 蘭さん» コメントありがとうございます！出来るだけ重くならないように努めていますが難しいです…。更なるポップを目指します！ (8月4日 23時) (レス) id: d21a21d4c8 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - うわぁ色々と凄い辛いけどどタイプです、 (8月4日 20時) (レス) @page13 id: b34786daa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鞘駄 | 作成日時：2024年6月9日 9時
