雄英脱出【死柄木弔】 (ページ45)

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邪魔ページ45

「ブラド、今回は演習を入れたいんだ」
「俺もそう思ってたぜ」

俺は切島鋭児郎。補習組だ。先生たちは今日の授業内容を話し合っている。俺はしょんぼりしている。

「はあああ…」

俺、肝試ししたかったよ…。修学旅行の醍醐味が…。

ペンやら教科書やらを机に並べて待つ。物間の心境が知りたい今日この頃だが、肝試しに当てられるはずだったワクワクを拳で押し殺しながら背筋を伸ばす。

そのワクワクがもう抑えきれない！となったところで頭の中で声がした。

「？…マンダレイのテレパスだ」

声色からしてただことでないことが伺えたが、ことの重大さが俺にはまだわからなかった。

____

　「敵２名襲来、他にも複数いる可能性アリ、かあ…」

森の中で1人、先程テレパスされたことを繰り返す。向こうのほうで木が燃えている。万全を期した林間合宿に敵が侵入した。

俺は情報漏らしたりしてないぜ？誰だろう。俺の楽しい林間合宿を邪魔する奴は。てか焦げ臭えし向こうの方ヤバそうな煙漂ってるし。爆豪たちどっか行っちゃうし。

　「迷った…」

どうしたもんかね。

パーカーのポッケに入ったお守りのアイスピック。こんなの持ち歩いてるバカは俺だけど、なんか持ってないと落ち着かない。静かな森の中で突っ立っていると、背後から足音。

「おっ、いたいた！アヤト！」

　「…え」

振り返れば知った顔。ツギハギの手が俺に振られている。なんとも軽快なその動きと声に安心したし怒りも覚えた。

　「…ダビさん。何しに来たの」

「冷たいなぁ。」

この人がいるってことは、きっとヒミちゃんも来てる。俺がヒーロー科にいるのを快く思っていない2人だ。

「ホント、ごめんな？あんだけ楽しみにしてたもんな、林間合宿。でもなぁ、ボスの命令なんだよ、逆らえねえよな！」

ボスって死柄木さん？

じんわりと頬に熱が集まるのを感じた。だんだん頭が鈍くなる。ガスを吸ったのかも。ぼんやりする頭を殴るようにヒーローのテレパスが脳内に響いた。

【A組B組、総員____…！戦闘を許可する！！！】

顔を上げる。ポケットに手を入れるとそこにはアイスピックがある。戦闘が許可された。刺しても許されるんだ。

俺はにっこり笑う。

　「んー、許さない」

「マジかー、辛いなあ」

ダビさんも優しく笑った。
____

3回目のテレパスが響いた。

【敵の狙いの一つが判明！生徒の、かっちゃん、色取くん！！2人はなるべく戦闘を避けて、単独で動かないこと！】

「あ、彩人…？？」