雄英脱出【死柄木弔】 (ページ44)

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合宿ページ44

「う、うぐ…」

明るい日差しが差し込む大部屋。鳥のさえずりが窓の方から聞こえる。美しく穏やかな朝…そんなものはない。どうも寝苦しい。横目で周りを見ると寝相の悪い野郎どもが俺にくっついていた。

　「…どけよ。」

「んがあ」

時計を見るとちょうど7時。俺、今林間合宿にいるんだ…。

爆睡中の切島の鼻を摘んだりして遊んでいるとカンカンカンと騒がしい音が鳴った。鍋を叩く音のようだ。扉の方に目をやると相澤先生が勢いよく扉を開けた。鍋を装備している。

「おはよう諸君。さっさと着替えろ。」

　「あ…、はざます」

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　「…ううえ」

朝から訓練なんて聞いてない。いきなり部屋から追い出されてハテナがいっぱいだったってのに。しかもこの訓練がキツい…。想像を絶する苦痛が襲ってくる。そこらじゅうから悲鳴が聞こえるし心なしか血生臭い。

みんながドラム缶に手を突っ込んだり必死こいて踊ったりしてる中、俺も例外ではない。

俺の訓練は、俺の周りを飛び回るドローンの視界を一度に覗いてキャパを増やす…と同時に情報整理能力をあげる試み、だってさ。もうかれこれ2時間はやってる。お陰で涙が止まらない。本当にギャン泣きレベルで顔がびっちゃびちゃ。

それでも個性解くとぶん殴られるからやめれない…。泣きたい。もう泣いてるけど。

　「ぐすっ、酔いそう…」

待ちに待った休憩。夕方になってみんなでカレー作ったけど、酔いすぎて全然食べれなかった。これがヒーロー科のやることなのかよ…。

_____

「腹は膨れた！皿も洗った！お次は…」

肝試しだー！！とはならないぞ。訓練の余韻がずっとあって本当に涙目。目がうるうるしてて顔合わせたやつら全員に指摘された。別に悲しくはないんだよ。

逆になんで切島を始めとする補習組はあんなにはしゃいでるんだ。俺よりずっと疲れてるはずなのに。

「残念ながら補習連中は俺と補習授業だ。」

「ウソだろ」

「あ、彩人おお助けてええ！！」

おんおん泣きながら切島たちは連れて行かれた。

　「…可哀想に。」

「おい、ダウナー野郎。コイツの代わりに来いや」

切島のことは爆豪に上書きされた。どうやらペアの交換の申し出らしい。彼が指差すのは轟くん。仲悪いのは重々承知だが俺だってそんなに良好な関係を君たちと結んでいないぞ。

3人で揉めていたら既にスタートの時間になって、「早く行けよ」と促した。俺は爆豪に首根っこを掴まれて一緒に森へ連れてかれたのだ。

　「…なんで？」