第七十九話「生き方」 ページ37
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私の後頭部にあるクロロさんの手が、今度はポンっと頭の上へと置かれる。
クロロさんの瞳に映る私は、今、一体、どんな表情をしているのだろうか。
「………A。」
クロロさんが口にした言葉。
それは、私の名前。
「A。オレの大切な仲間を救ってくれてありがとう。感謝しているよ」
『…………え？』
喉に何かが、つっかえたように言葉が出ない。
すると、クロロさんが私の頭を、そっと撫でた。
「キミとはもう、できれば会いたくない」
なぜか、どこか、切なそうな表情をするクロロさん。
「キミは、いい子だ。オレたちとは何もかも住む世界が違いすぎる。キミには生きていてほしい」
『え…なにを、言って…』
そう言いかけた時、クロロさんの手が私の頭をポンっと軽く叩いた。
「じゃあね」
その小さく呟くような声が聞こえた時には、もうクロロさんの姿は、どこにもなかった。
クロロさんは、私の中にわだかまりを残して、消えてしまったんだ。
モヤモヤが胸の中に残りながらも、今は、ずっと目を覚まさないネオンちゃんのことを一番に考えようと、彼女を支えている手に力を込めた。
＿＿＿。
＊
「団長からだたよ。セメタリービルで暴れるから来い言てるね」
「もうすぐそこまで来てるけどな。他の皆は？」
「考えること皆同じね。ゴミ掃除しながらビルに向かてるよ」
セメタリービルのすぐ近くで、そう会話をする人物の名は、フェイタンとフィンクス。
二人の周りには、数人の死体が転がっている。
「あと、団長が珍しく条件つけたね」
「なんて？……………フェイ？」
答えが返って来ず不思議に思ったフィンクスが、フェイタンの方を見る。
「この仕事が終われば…また、アイツの…Aのそばに居られるのか……？」
「フェイ。今は仕事に集中しろ」
「わかてるね」
残酷で冷徹な冷たいフェイタンの心に、いつから暖かい灯りのようなものが、ついたのだろう。
そう思わせるほど、「A」と口にしたフェイタンの声は優しく、そして、とても悲しそうだった。
「A、来てんだろ？ヨークシンに。もうオレらの正体がバレるのも、時間の問題だろ」
「そうね」
「……オレだって、アイツの…そばに居てぇよ。」
フィンクスは拳を握り、眉間にシワを寄せる。
Aを失いたくない。
フェイタンもフィンクスも気持ちは同じ。
ただ、今は、
"派手にやれ"
そう命令された指示に従う。
それが蜘蛛である自分たちの生き方だから。
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じゅな(プロフ) - ずっと待ってます！ゆっくりでもいいので更新してくださると嬉しいです！ (4月18日 17時) (
レス) id: 63d6ee7837 (このIDを非表示/違反報告)
あ3 - 更新楽しみにしてます､､､､めちゃ好きです (2022年11月1日 16時) (レス) id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 久しぶりに見に来たら更新されてて泣きました(´；ω；｀)これからも更新楽しみにしてます...！ (2021年12月16日 20時) (レス) @page44 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - ナルアさん» ナルアさん…！本当にお久しぶりです！ずっと待たせてしまって本当にごめんなさい ; ; いつもコメントしてくださって本当に支えられています…！そう言っていただけて本当に嬉しいです！ずっと待ってくださっていて本当にありがとうございます！これから頑張ります！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - 名無し76544号さん» 優しいお言葉に本当に心が暖かくなって小説も書こうって思わせていただけます！本当にありがとうございます！少しでも幸せが訪れますようにっ！最近寒くなってきましたので、お体に気をつけてくださいね！更新頑張っていきますね！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikan | 作成日時：2020年10月4日 13時
