第五十八話「大切」 ページ16
フェイタンの殺気が、
勢いよく、一気に広がっていく。
その殺気は、禍々しく。
恐ろしいほど強い殺気だった。
「貙鶲��橤贏嚟齏彌」
理性を失っているのだろうか。
フェイタンは、母国語であろう言葉で、
何かを喋っている。
フェイタンの能力を知っている団員達は、
仲間でありながらも、少しの危機感を感じていた。
そして。ゴンとキルアは、
フェイタンの殺気に背筋を凍らせ。
胃の内容物を、今にも吐きそうな思いで、
その場に固まっていた。
この状況で動ける者などおらず。
今さら「団員同士のマジギレ禁止」など、
シズクですら、言おうと思えなかった。
もし仮に。誰かが下手に動いて、
フェイタンの体にかすり傷1つ付けようものなら。
どんな能力が、この場で、起きるか。
すぐに想像できてしまうからだ。
でも、それは1部の人物を除いて。
その人物。それは…ヒソカだ。
ヒソカは、フェイタンの能力をまだ知らない。
そして、この状況を、密かに楽しんでいた。
時間が止まったかのように、誰も動かない。
ただ。フェイタンの殺気が広がっていく。
この状況を、誰が打破するのだろうか。
その場にいるほとんどの皆が、頭を悩ませた。
その時だった。
(ドドドドドドドドドンンン！！！)
激しく大きな音が、突然。鳴り響いた。
…その音の正体は。雷だった。
すると。先程まで、何も映さないかのように、
真っ黒な瞳だったフェイタンの目に。
ほんの少しの、光が入った。
フェイタンの頭の中には、今。
雷の音と共に、あの時のAの怯える姿が、
浮かび上がっていた。
…A。
お前は、今。
また。泣いているのだろうか。
また1人で、耐えているのだろうか。
お前には。お前だけには、笑っていてほしい。
その笑顔で、救われる人もいるのだから。
あの時。ワタシとお前が出会った事が、
例え。間違いだったとしても。
ワタシとお前とでは、
生きてる世界が違うとしても。
それでも。ワタシは。
お前の。Aのそばに居たいんだ。
今度こそ。あの手を離すことなく。そばに。
フェイタンの中に、
少しずつ暖かさが芽生えていく。
その暖かさは、きっと。
Aが無償で与えていた暖かさと同じもの。
その暖かさを感じると共に、
フェイタンの殺気は、徐々に薄まっていた。
ほんの、些細な日々だった。
それでもAと過ごした日々を。
Aから貰った暖かさを。
フェイタンは、きっと。ずっと。忘れない。
ずっと。大切に。心の中で。
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じゅな(プロフ) - ずっと待ってます！ゆっくりでもいいので更新してくださると嬉しいです！ (4月18日 17時) (
レス) id: 63d6ee7837 (このIDを非表示/違反報告)
あ3 - 更新楽しみにしてます､､､､めちゃ好きです (2022年11月1日 16時) (レス) id: b2be5c4b6e (このIDを非表示/違反報告)
キエラ(プロフ) - 久しぶりに見に来たら更新されてて泣きました(´；ω；｀)これからも更新楽しみにしてます...！ (2021年12月16日 20時) (レス) @page44 id: cdb417a741 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - ナルアさん» ナルアさん…！本当にお久しぶりです！ずっと待たせてしまって本当にごめんなさい ; ; いつもコメントしてくださって本当に支えられています…！そう言っていただけて本当に嬉しいです！ずっと待ってくださっていて本当にありがとうございます！これから頑張ります！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - 名無し76544号さん» 優しいお言葉に本当に心が暖かくなって小説も書こうって思わせていただけます！本当にありがとうございます！少しでも幸せが訪れますようにっ！最近寒くなってきましたので、お体に気をつけてくださいね！更新頑張っていきますね！ (2021年10月19日 22時) (レス) id: 9f58bcb1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikan | 作成日時：2020年10月4日 13時
