【ハリーポッター】無気力系女子 (ページ43)

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４１話「頭上注意」ページ43

普段使うことができないお風呂場を使わせてもらったらしい。
蛇口の数がおかしいぐらいにあったし、広々としすぎていた。

本来は監督生という特別な役割を持った人だけが使える場所だと言われる。
そんな特別な場所で1人だけ使うのはかなり申し訳なさがきて、縮こまって入った。

湯船にも使ったが10分くらいであがり、素早く着替えて医務室に戻っていく。

いや、行こうとしてたのだが。

『ここどこ……？』

マダム・ポンフリーに教えて貰ったはずなのに覚えきれていなかった。
だだっ広い建物で1人行ったり来たりを繰り返している。

この道で来たのは覚えているけど、こんなに長い廊下渡った記憶ないような。
いや、自分が忘れてるだけかもしれないし……。

《ひひひひひ！
なんだお前、ベッドから抜け出してきたのか？》

『ピーブズさん！いい所に。』

頭上から声が聞こえ、そちらに顔を向けるとフヨフヨ浮かぶピーブズが居た。
なんだかその周りに水が浮いてる気がするけど、なんでだろうか。

『あのね、医務室に戻りたいんだけど場所が分からなくなって。』

《医務室ぅ？
あー、あっちの方だったかなぁ。
いや、この銅像を通った先だったかもしれないなぁ。》

『え？』

初めは右の廊下を指を指したと思えば、くるりと一回転して反対方向の左にも指を指す。
銅像の裏を次は指を指したかと思えば、その次は絵画の裏かも？と言ってきた。

ここでようやく揶揄われているのに気が付く。
こちらとしては早く帰りたいが、ピーブズは遊びたそうだ。

《フィルチで遊ぶのも飽きてきたんだ。
なぁ、世間知らずのA。ここで遊んでいかないか？》

『え、遊ぶって何するの？』

《ひひひひひひひ！
とりあえずこれでもどうだ。》

ｻﾞﾊﾞｰ！！

『ｯつめた！？』

上でフヨフヨ浮いていた水を頭から被らされた。
嘘でしょ、今さっき風呂から出たのに。

床もずぶ濡れになり、普通に大惨事になっていた。

『ピーブズさん、寒いんだけど。』

《と、言われてもなー。
俺様は寒いのも暑いのも分からないから、どうしようもないね！》

『やったの君なんだよなぁ。
どうしたらいいの、これ。』

ずぶ濡れになった床を指さして訴えれば
《お前が避けなかったのが悪いんだ。ひひひ！》と言って消えてしまった。

えぇ……。

「何をしている。」

真後ろから低く、少し圧のある声が聞こえてきた。