【ハリーポッター】無気力系女子 (ページ37)

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３５話「可能性」2 ページ37

"オブスキュリアル"とは

精神的・肉体的な虐待が継続されることで自ら魔法力を否定し
抑圧することを強いられた魔法族の子供に"オブスキュラス"が宿る。

オブスキュラスが宿った者のことをオブスキュリアルと呼ばれる。

「貴女が仰っていた罰、というのはいつからありましたか？
何歳からあったとかも覚えているのであればそれも。」

『いつから…………。』

また少し考えこむ。
いつからだったか、何歳からか。

記憶喪失の前はわからないけれど、それ以降なら多分。

『初めてされた罰は、確か6歳……だった気がします。
私が階段から落ちそうになった時に体が浮いたんです。

びっくりしたのと、自分が浮いた事実に嬉しくなって
"不思議な事が起きた。まるで魔法みたいだった。"と
その事を預け親に言ってからだったと思います。』

「その時の親御さんはなんと？」

『"魔法なんて馬鹿な事を言うな。それはお前の気のせいだ"と言われた……ような。』

それを聞いたマクゴナガル先生は少し首を傾げた。

「その時にアリスだと言われなかったのですか？」

『言われなかったです。
不思議な力や現象自体を否定してたと思います。』

その時は初めての事だったし、怒る表情や声
罰が怖くてそれ以上考えることや聞くことをやめたな。

自分の中でもその出来事はなかったこと。で無理やり片付けたと思う。

「となると、アリスというのはいつ誰が貴女に教えたのですか？」

『えっと、私が隔離されたのが9歳の頃だったと思います。
隔離されて１ヶ月経った後、私のお父さんの弟さんが教えてくれました。』

「9歳の頃から隔離……？？
それからずっとここに来るまで、1人と？」

『1人…………ではなかったです。
週に1回は必ず罰を与える人が来てくれたので。』

「罰を与えられる理由は？隔離をされているのに。」

『預け親の子供に怪我をさせたからです。
あと、私の事力を暴走させない為に……とも言ってた気がします。』

「その間に外へ行く事は？」

『したら罰があるので、しなかったです。
というより出たら迷惑がかかるので……。』

絶句。その一言だった。
他にも聞かなければならない事が頭に出てくるのに。

本来入学する11歳より2年遅れた彼女は、存在が消されたかのように居場所が掴めなかった。

だから最低でも2年の間に行われていたと思われた虐待は
それよりずっと前から彼女の体に、心に傷を残している。