【ハリーポッター】無気力系女子 (ページ22)

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２１話「膨れあがる」ページ22

3人が校長室まで移動している頃。
六道Aは目の前に出された食事に戸惑っていた。

｢さぁ、沢山食べて栄養を摂ってくださいね。
胃に優しいものを用意したから食べやすいはずですよ。｣

『あ、ありがとう……ございます。
いただきます。』

こんなに良い物を、自分が食べて本当に大丈夫なのか？
食べやすいように固形物は少なめであってもスープで浸していたり、小さく切ってある。
それに隔離されてからおにぎりやパン１食が当たり前になっていた分尚更だった。

これはなんだろう。野菜なのは分かるし、久しぶりに食べれる好きな物で先にそれから1口食べた。

『……！！』

｢美味しいですか？｣

『！！』ｺｸｺｸｺｸ

日本に居たから多分、その味付けに近い物を出してくれてる気がする。きゅうりだこれ！
それにこっちはおかゆ…、いやお茶漬けだ！

そこからは早かった。
温かい食べ物に懐かしくなる味付け、今までの空腹感が押し寄せてそれを満たしていく。
食べれば食べるほど幸福感が出て、ゆっくり噛み締めながら口の中。胃の中に収めていく。

美味しいな。
いつから食べてなかったのか思い出せないが、こんなにも幸せでいいのだろうか。

｢あら、もう食べ終わったのですか？
まだ食べれたりします？｣

『いえ、お腹いっぱいです…。ご馳走様でした。』

自分としてはそこまで早く食べたとは思っていなかったが、それほどお腹が空いていたらしい。
ポンポンと初めより膨れたお腹がある事にいまだ信じきれない現状だ。
なんでみんなここまで良くしてくれるのだろう。

食器類もマダム・ポンフリーが下げて何もする事が無くなってしまった。
というより動いてはいけないのだが。

ﾎﾞﾌｯと枕にそのまま身を委ねてベッドに沈む。

1人の状況がまたできたことで、自分の中で疑問がうまれていく。

私はこれからどうなるのだろう。
家も何も言わず飛び出してしまっているし、預け親にも迷惑がかかっている。
居なくなったことに気付いてくれるのだろうか？
いや、私が居なくなってむしろ喜んだりしてはいないのか？

どちらか分からないが、罰を受ける可能性も考えれば早くここを出た方がいいだろうな。

マダム・ポンフリーとお話をして早く帰れるか聞いてみよう。お礼もちゃんとしないとな。
ハグリッドさんやマクゴナガル先生には謝らないと。
怪我いっぱい見せてしまったし汚かった自分に触れさせてしまったし。

暗い思考に1人で落ちていくのに気づかない。