・ ページ6
「あれ、駐車場？運転できるんだ」
「いや。運転係用意してる。mondo〜」
「おー、その子が幼なじみか」
真っ赤な車に向かって歩く幼なじみ。運転席に座ってる男の人は気だるそうにこちらを見た。
もんど。モンド？私の気に入ってる人と同じ名前だ。それに声も似てる。世の中って不思議。
「はじめましてモンドさん。紗良です」
「sellyの幼なじみにしては可愛げがある」
「なんだそれ。こいつ可愛くないよ」
セリー？
「なんでセリーって呼ばれてるの？」
「あー、やぁ…芸名、みたいなのだ」
「ふぅん。もしかしてこのSelly？」
「あー、うん。そうだ」
ピンクの髪の可愛らしい女の子の画像を見せると気まずそうにうなずいた。じゃあこの運転手の人は。
「mondo？」
「うん」
へえ、このふたりがあの動画の2人なんだ。
でもすっごい好きというわけではないから特になんと思わなかった。
幼なじみの名前で検索すると確かにSellyが出てくる。調べたことがなかったから知る由もないというやつだ。
「有名になったんだねぇ、selly」
「その名前で呼ばれるのは嫌だ」
「えぇ〜照れてるの？」
「ウザいよ、紗良」
ガシッと頭を掴まれて指に力を入れる幼なじみ。そこまで痛くないけど、痛いことは痛い。
やめて、と頭を左右に振ると可愛いねぇとバカにしてきた。
mondoさんと視線が合ったが、笑うだけで止めようとはしない。意地悪なのは配信中だけじゃないらしい。
何とかして幼なじみの手から逃れるとmondoさんが早く乗れって急かしてくる。
幼なじみに押し込まれる形で車に乗ると彼も後部座席に座った。てっきり助手席に乗るのだと思ってたから驚いた。
移動中ずっと幼なじみと話してたんだけど、彼がこんなにおしゃべりだなんて知らなかった。
昔はそんなに話す方じゃなくて、私ばっかり色んなこと話してたのに今じゃ逆だ。
ちなみに会話の内容は全て私のことだけど。
彼の話を聞き出そうとしてものらりくらりとかわされる。
私だって幼なじみがこの4年間何してたか知りたいのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1577人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ベル(プロフ) - Twitterにフォロリク送りましたm(_ _)m (2023年2月7日 13時) (
レス) @page29 id: 7777acaa3c (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - めちゃくちゃ丁寧な展開に、キュンキュンシチュエーション。、最高です……ありがとうございます。 (2023年1月29日 23時) (レス) @page26 id: 1af3cf4740 (このIDを非表示/違反報告)
ブーさん(プロフ) - 初めてこんなにドキドキしながら読むことが出来ました。続きを楽しみにしてます！ (2023年1月10日 4時) (レス) @page21 id: 25eda4d66a (このIDを非表示/違反報告)
希彩(プロフ) - 読むのが楽しすぎて今一番更新を楽しみにしてる作品です…！！ (2023年1月6日 0時) (レス) id: ada02de52c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さうら | 作成日時：2022年11月30日 13時
