私が幼なじみと付き合うまで

私の幼なじみは喫煙者 ページ21

何も塗ってないトーストで朝食を済ませたあと昨日と同じくソファーでのんびり過ごしていると、幼なじみが落ち着きなさげにする。

「どうしたの？」

「いや…」

「言っていいよ」

ズバズバとものを言う幼なじみにしては珍しいなと思いながら話すのを待つけどなかなか言おうとしない。
そんなに躊躇うなんて、何を言おうとしてるの？

「俺、タバコ吸ってるから…同居嫌かと思って…」

「えっ、タバコ吸ってるの？」

「あー…イヤ？」

「や、驚いただけ。本当に気にしてないよ」

タバコとか好きじゃないイメージがあったから意外。でも配信者だし、ゲームもしてるから案外ストレスが溜まっちゃうのかも。

「本当？」

「うん、本当。昨日気遣わせちゃったよね、ごめん」

「Aが謝ることじゃない」

「気にしないでいいからね。今吸ってきてもいいよ？」

「いや。Aといる時はいい」

「そう？」

綺麗な顔に似合わずタバコ吸ってるんだなあ。

匂いを嗅いでもタバコの香りはしないから相当気をつけてくれたのかもしれない。昨日だって吸う暇なんて私が寝た後しかないし。

幼なじみに断りを入れて着ているカーディガンの匂いを嗅いでみると微かにそれっぽい香りがする。

「紙タバコ？」

「ベイプもだ」

「二刀流だね」

「なんだその言い方」

確かに変な言い方かも。

二人でクスッと笑い飛ばしてこの話は終わり。

心配事が杞憂に終わった幼なじみは途端に饒舌になり始め、私のことを根掘り葉掘り聞いてくる。些細な日常の話も興味深そうに聞いてくれるから話すこっちとしては楽しい。
けどなんだか解せない。

思い切って直球で4年間どんなことしてたのか聞いたけど、ゲームしてただけで何も無いって一言で終わらせられた。友人関係とか、話せる範囲でも聞きたいのに。

「知らなくていい」

だって！！！

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