私の日常 【Kazuma Kawamura】

僕らは出会い ページ4

_









「 え、やめちゃうんですか？ 」


＊「 そうなんだよごめんねAちゃん 」







私の馴染みのカメラ屋さん。

レトロなカメラが沢山あって大好きなんだけど
おじいちゃんは店を畳む、と衝撃的な報告。

高校生の頃から週一で通っていたのに
そんな生活の一部のようなものがなくなってしまうなんて……









＊「 もう店も閉めちゃうからこのカメラあげるね 」


「 え、いいの？ 」


＊「 このカメラは私の思い出でね、カメラを大好きな人に譲ってあげたいと思ってたんだよ 」









おじいちゃんがくれたカメラは
二眼レフカメラとポラロイドカメラ

どちらも私が欲しいと思っていたカメラだった。









＊「 大切にするんだよそのカメラ 」


「 分かった、おじいちゃんありがとう 」


＊「 Aちゃんならきっとそのカメラ気に入るよ 」









なんだかこのカメラいいものが撮れそうな気がする。
根拠はないけど、この時の私はそう思った。

このカメラとの出会いは私の人生を大きく動かすものになる。
今の私にそんな事がわかることも無く、呑気に自宅までの道のりを歩いた。









＊「 Aちゃんならそのカメラの大切さに気づくよ
辛いこと経験させちゃうけど応援してるから… 」









おじいちゃんがこんなことを呟いてるとも知らず。









_

むこうみずな→←風にまじる季節に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す