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特別な異端児 ページ36

アリスを連れて、外に出た。

外には赤い空が広がっており、蓮の赤の瞳を更に深い赤へ染める。

アリスは、乱れた髪を撫で着けながら、怯えたように蓮を見た。









「__私、は、殺さないの?」









『ああ、殺さないよ、未だね』









アリスを見下ろし、蓮は薄く微笑む。

そして、近くにあった切株に腰かけた。

一枚だけ持っていたカードを音をさせ捲る。

アリスはそれを無言で眺めた。









『さあ、アリス、答え合わせをしよう』









その言葉に、アリスが息を呑む音が聞こえた。

アリスの表情に、蓮はまるでこれから事件の真相を話す探偵の様に目を細める。









『今回の事件の内容。

それは主に嘘が重なって成り立っている。
一つ目はネズミ君の色覚障害という嘘。
二つ目は仔犬君の家族を守る為の自己犠牲。
三つ目はアリスの仔犬君を襲った嘘。

他にも、不思議の国の住人達は俺に嘘を重ねて来た』









「______」









無言のアリス。

其れを蓮は同じ様に見た。

此方を疑う様に目を細めるアリスが、蓮にはまるで本当の真相を握っているのでは、という疑問に対する怯えを抱いている様に見えた。









『嘘を沢山重ねて一人の相手を欺くのはかなり良い案だよ。
一人だとその嘘を暴くのはかなり難しいからね。

だけどさ、俺はそれに気付いた』









手元のカードを弄び、愉しげに蓮は笑う。

決して、カードの表を見せない様に。









『どんな完璧な計画にも主犯は必要不可欠。
主犯のいないチームは成り立たないからさ。
嘘を吐くのは簡単な様で難しい。
たった一つでもボロを出せば、それだけで嘘は、まるでドミノの様に崩れていってしまう。

そして勿論、この国にもリーダーがいる』









「………それが私と言いたいの?
残念だけど、私じゃないわ。
この国の絶対は女王なのよ」









『勿論、知ってるよ、この国は“女王”が絶対な事くらい』









そう、この国は女王が絶対。

女王が誰であろうと、だ。

この時、初めて蓮はアリスにカードの表を見せた。

其処に記されていたのは赤色の道化師__“Joker”。

トランプの中でJokerは異端児に当たる。


__そして、どのカードよりも特別で勝負を決める決定打に成り得る。


詰まり。

詰まり、蓮が言いたいのは____









『アリス。
____君がこの遊戯(ハートの裁判)のJokerだ』

Joker→←裁判所の消失


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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時

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