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愛の象徴 ページ34

「仔犬が?
笑わせてくれるわね、弁護士さん。
仔犬君は傷付けられたのよ?
自分で言うのも何だけれど、この国の人達は臆病な人達が多いわ。
そんな人が、自分から傷付きに行くと思う?」









アリスの言葉に、蓮は微かに驚いた顔を見せた。

余りにも自分の思い通りに事が運ぶからだ。

此処までうまく行くとは思っておらず、一応幾つかの安全策を用意していたが、その心配は杞憂だった。

全て、太宰の技術を盗めるだけ盗んだ所為だが。


蓮は、袋から小さな箱を取り出した。

全員の注目がそれに集まる。









『仔犬君は、女王に脅されたんだ。
大凡、家族の首を跳ねるとでも言われたのだろうね。
だから、仔犬君は嫌々ながらも自ら傷付くしかなかった』









手元の箱を弄りながら、詰まらなさそうに蓮は呟く。

誰の耳に届こうとも自分が関係したことではない、とでもいいそうな態度であった。

だがそれを一変させ、蓮は箱から中身を取り出す。









『これ、“トランプ”って言うんだよ』









巧みな手捌きでカードを弄ぶ蓮。

全ての視線がカードに集まる。


蓮が指を一度鳴らし、カードを卓上に置く。

そして、手でカードを隠し、もう一度指を鳴らした。

ゆっくりと手を退ければカードは無くなっており、歓声が上がる。

其処でマジックは終わらない。

もう一度指を鳴らせば、カードが一枚蓮の手からカードが生まれる。

手を揺すれば、一枚ずつ、カードが増えていった。


増え続けるカード。

それを、蓮は手で収まらなくなるほど増やし、宙に放り投げた。

落ちて行くカードの射影機越しに、蓮は笑いながら語りかける様に言葉を紡ぐ。









『トランプに使われるトリックはとても多い。
そして、単純なトリック程難しかったりする』









落ちて行くカードのうち、一枚を摘む。

其処に記されていたのは“ハートのJ”。

蓮は、カードになにかを重ねる様に、縁を指でなぞる。

否、最初から蓮は、カードをあるものと重ねていた。









『__知ってる、皆さん?』









カードをひっくり返し、また戻す。

其処には先程とは変わり、“ハートのQ”が記されていた。

唇にカードを重ね、妖艶に笑う。

まるで、このカードを己と重ねる様に。









『ハートは、愛の象徴なんだよ』









___ハートのJは愛を欲する。

___ハートのQは愛を欲さない。

___ハートのKは__









『__K(キング)は、女王さ』

裁判所の消失→←彼奴も嘘吐き


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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時

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