アリスという幼女 ページ25
「____初めまして、弁護士さん。
私の名前はアリスよ。
よく判らないけど、今ハートの女王に捕まっているの。
でも、弁護士さんが何とかしてくれるんでしょう?」
ぺこりとお辞儀をした幼女は、可愛らしいものであった。
水色を基調としたエプロンドレスに身を包み、ふわふわとした金髪は長く、うさぎの様な黒いリボンのカチューシャを付けていた。
青玉をはめ込んだ様な丸い瞳は愛らしく、桃色の染まった頰は見るものに愛くるしさを与えた。
七歳程に見えるアリスが、一瞬あの標的であるエセ教祖と重なったが、そんなことはない様だ。
「よろしくね」と言って手を差し伸べてくるアリスに、蓮は頷いてその手を取った。
うふふ、と愛らしく笑うアリスの顔をまじまじと見る。
きっと彼女も異能生命体の類であろう。
異能生命体とは本当によくできたものである。
これ程精巧に人を再現できるのだ、感心してしまう。
『取り敢えず、色々聞きたいことがあるんだけど、いい?』
「ええ、勿論よ」
「でも、その前に」と前置きしてアリスは蓮を手招きした。
「私が犯人だ、と証言した人がいるから。
その人の所で話を聞きましょう」
蓮は黙ってその言葉に頷き、アリスに従った。
****
「____お久しぶりね、ネズミさん」
「ッあ、アア。
久し振りだね、アリス」
アリスに案内された部屋にいたのは一匹のネズミであった。
やせ細った鼠は突き出た前歯を手で掻きながら、挙動不審に応えた。
『俺は、アリスの弁護士だよ。
ネズミさん、アンタにいくつか聞きたい事があるんだけど、良いかな?』
笑いかけながら問うと、鼠はオドオドと頷いた。
アリスが、銀色のスプーンと共に琥珀色の紅茶の入ったカップを差し出してくる。
匂いを嗅いでから毒がないことを確認して、一口口をつけた。
飲むか飲まないか迷っている様子の鼠に紅茶を指差して聞いた。
『飲まないの?』
「ッイヤ、飲む、飲むさ」
慎重な手つきでスプーンを手に取った鼠は、スプーンをもう一度見てから鼻に皺を寄せ、またスプーンを置いて紅茶を飲んだ。
其処に砂糖が固まってしまっていないのか気になったが、鼠が紅茶は美味しそうに飲んだ為、良しとした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時