【信者】という狂信徒 ページ18
『相変わらず、酷い臭いだね…』
文句を垂れたところで屋敷の臭さが変わるわけでは無いが、顔を歪め乍ら呟く。
二回目の侵入。
一回目と変わって居なければ、此処迄は誰も現れない。
そして、あと一個、角を曲がれば一人目の【信者】と遭遇する筈____
「____お願いです!
許して下さいませ、主よ!!」
【信者】と遭遇した筈の角に忍んでいると、一人の男の声が聞こえた。
その声には焦燥、驚愕、悲しみ。
其れ等が読み取れた。
不思議に思い、僅かに顔を覗かせる。
「はぁッ………はぁッ……
嗚呼、主よ、お願いします。
罪深き私を許して下さいませ。
____アリス様」
狂信徒のように口元しか顔を確認出来ない衣装から、零れ落ちるほど滂沱と涙を流している。
後ろを振り返り乍ら進んでいく【信者】。
『何で………
一回目は、こうじゃなかった筈』
そう、一回目では【信者】はこんなにも混乱した状態では無かった。
一回目と異なるのだ。
では、一回目と二回目の違いは何か。
その事に頭を巡らせる。
「あの、あの“白ウサギ”は、違うのです」
白ウサギ____
その単語に反応し、理解が及んだ。
一回目と違う点。
それは、あの白い兎だ。
白ウサギが何かしたのか、そう考え、何も見落とさぬよう、【信者】に注意を向ける。
背後からは何者の気配もしない。
《_______》
「____ッ!
嗚呼、あア!!
主よ、お許しを!!
我が罪を、罪を償う権利をお与え下さい!」
突如、【信者】が肩を震わせたかと思えば、今度は己の腕を抱え、震え出した。
【信者】の突然の変化、そして一回目には無かった出来事に首を傾げ、注視する。
不審な動きがあれば直ぐに殺せるよう、短刀を構えて。
「_______ァ」
何かを切っ掛けに、膝から【信者】が崩れ落ちる。
突然の出来事に蓮は、短刀と共に拳銃を構える。
そして周囲に何者もいない事を確認した後、【信者】に近づく。
痙攣して動かない信者の口からは、大量の鮮血が溢れ出した。
もしや、と思い、【信者】の口を開ける。
『矢っ張り。
舌を噛み切ったんだ』
突然の変異。
これを成せるのは異能者しかいない。
それも、精神操作系の異能者。
つまり____
『____アリスによる殺害』
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時