懐中時計をかけた白兎 ページ17
『何で、そんな物………』
この兎の異常さには薄々気付いていた。
殺そうとしないと一切逃げようとしなかった事。
反対方向に逃げた筈なのに、数秒で戻ってきた事。
懐中電灯を首にかけている事。
そして今、人の眼球を咥えている事。
目の前の兎の異常さに肌が粟立つ。
紅の瞳で兎を睨めば兎は屋敷の中へと消えて行った。
『____あ、ちょっと』
手を伸ばすが、あの兎を止めた所で何も変わらない。
そう思い手を引っ込め、ホルスターから拳銃を抜き、短刀がちゃんとある事を確認した。
拳銃を見て、残り何発あるかを確認した。
其処で、目を見開く。
何故なら
『弾が、全部入ってる?』
一発、確か放った筈だった。
念の為もう片方も取り出すが、此方も全て入っている。
其処で蓮は何かに気づいたように平たい胸をペタペタと触った。
其処に傷らしいものは見当たらない。
ならば。
『誰か、親切な人が治してくれた?』
首を傾げる。
だが、そんな気配はなかった。
そして、その感覚をある物が肯定してくれた。
『あの植木鉢、動いてない』
あれ程の長時間、屋敷内に入れば十米は転がっていただろう。
だが、最初に見た時から全く動いていない。
『____時間が、戻った?』
時間が戻る。
それは珍しい系統の異能だ。
それに自分の異能は特定の物の時間は戻せるが、全体の時間は動かせない。
確認する為に時計が欲しかったが、生憎自分は時計を持っていない。
少しだけ持っていなかった事を恨んだ。
だが後悔しても仕方がない。
此処では分からないことが多すぎる、と兎の事も時間の事も忘れ、対象の殺害へと足を進めた。
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Cabby - 太宰さんカッコいいですよね!めっちゃ好きです (2019年10月30日 22時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - え、太宰さんかっこよすぎない…?好き() (2019年10月29日 21時) (レス) id: 307f7ba1f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鸞宮子 瑩 | 作成日時:2019年10月29日 19時